消費増税法案に暗雲 民主、小沢氏処分解除へ

[arama-さん]

消費増税法案に暗雲　民主、小沢氏処分解除へ

　民主党の小沢一郎元代表は26日の無罪判決で「復権」への足掛かりを得た。輿石東幹事長は大型連休明けの５月上旬にも、小沢氏の党員資格停止処分解除に向けた手続きを開始すると表明した。今国会最大の焦点である消費税増税関連法案に反対を明言する小沢氏の無罪判決や処分解除で増税反対派が勢いづくのは間違いない。野田佳彦首相が目指す今国会中の増税法案成立に暗雲が垂れ込め、首相が政権戦略見直しを迫られるのは必至だ。

　首相が対応に窮すれば、進退問題に発展する可能性もある。衆院の早期解散を狙う野党側の戦略にも影響しそうだ。

　ただ、前原誠司政調会長らは「判決確定まで」とされた処分の前倒し解除には慎重姿勢を示しており、小沢氏の処遇も内紛の火種となる。

　首相は今国会中の増税法案成立に「政治生命を懸ける」と不退転の決意を示す。だが、小沢氏は衆院採決時の造反をちらつかせて断念を迫る構え。双方の対立が解けない場合、首相が法案成立へ自民党などの協力を仰ぎ、見返りに早期解散を約束する「話し合い解散」が現実味を帯びる展開も否定できない。

　現時点の衆院選は民主党不利とみる小沢氏が、解散阻止へ動くのは確実。「野田降ろし」も辞さずに首相と対峙たいじする緊迫した局面も想定される。

　小沢氏が求心力を回復した場合、９月の党代表選へ向けた首相の再選戦略も見直しを余儀なくされる。処分解除なら小沢氏自身の出馬も可能となり、党内力学の変動は避けられない。

　小沢氏の支持グループを中心に、同氏の要職起用を望む声が拡大する見通しだ。首相が、参院で問責決議を受けた２閣僚の交代を含む内閣改造・党役員人事を求める「圧力」にさらされる事態もありそうだ。