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福島原発の事故責任は原子力安全委員会にあり

 NHKのWebニュース(1/15)は
 15日に開かれた国会の原発事故調査委員会には、国の原子力安全委員会の班目春樹委員長と、原子力安全・保安院の寺坂信昭前院長の2人が参考人として出席しました。
 この中で班目委員長は、原発の安全対策を示した国の指針について「いろんな意味で瑕疵があったことは、はっきり認めざるをえない。津波に対する十分な記載がなかったり、すべての電源の喪失も『長時間考えなくてもいい』とされていた。原子力安全委員会を代表しておわびする」と述べたうえで、見直しを進める考えを示しました。
と報じています。

本日の読売新聞朝刊

 あまりに遅すぎるとはいえ、これで今回の事故責任問題の本質がハッキリ見えたので、翔年はかなり物がスッキリ言えるようになりました。(笑)
 ここのところをハッキリさせないまま、これまで政治家もマスコミも世論も多くの評論家も、こぞって「東電憎し」というスタンスで議論を展開しているので、賠償責任問題も東京電力の今後の姿も冷静な議論の対象になり得ませんでした。本来、この議論は法治国家として統治方法の議論(安全を守る制度)と経済原則に則って東電のあり方(私企業)を議論すべきものだと思います。


 原子力発電所の本質的な安全の枠組みを決めているのは内閣府にある原子力委員会であり、ここで決められた原理原則が原子力基本法をはじめとする法律や政令や施行令でキチンと(別の言葉でいえばがんじがらめに)決められているのです。それを私企業の東京電力が遵守し、発電所を建設し、運転し、電力の供給責任を果たしながら利益をあげていたというのが現実です。勿論、原子力発電所を安全に建設し運転するためには、法律だけでは不十分なので、企業は安全確保ために設備の改善、技術の向上や人材の育成、地元との協調等をはかりながら、自主保安体制をとる責任を負っています。


1 今回の事故の補償の主体は? - 国+東電 -
 今回斑目委員長が認めたように、今回の津波に起因する原発事故は
(1)津波に対する十分な記載がなかった ← なかったのですよ。
(2)すべての電源の喪失も「長時間考えなくてもいい」 ← 明記されています。
とされていました。規制する側に大きな問題があったのですね。
 そうだとすれば、今回の事故の当事者は東京電力ですが、一番大きな責は原子力委員会(=政府)が負うべきことは理の当然と思います。
 原子力災害から国民の生命、身体及び財産を保護することを目的とする「原子力災害特別措置法」にもとづいて、国が責任をもってことにあたってほしい。未だに、東電に責任を押し付けようとする政府の態度が時々顔を出すのはいかがなものか。

2 東京電力の今後? - 会社更生法適用→ 一時国有 → 新東電 -
 建前とはいえ、自主保安ということがうたわれている以上、東電の責任はある。地震発生直後から、発電所の運転にミスはなかったのか? 事故拡大を防ぐための備えは十分なされていたのか? 政府は事故原因分析をシッカリやって欲しい。これをハッキリさせなければ東電の補償範囲が決められません。補償は待ったなしで必要なため、一旦は政治的判断に委ねるとしても、原因分析によっては国と東電の分担比率は変わることもあり得ると国民は許容しなければなりません。

 東電は補償をする十分な資金がない、会社運営をする資金も欠くような事態に陥っていますから、国の資金投入は避けられません。
(1)公的資金が投入されたら、東電は国の管理下(経営権は国)に置かれて当然です。期間は5年とか10年とか期限を切るべきでしょう。
(2)バランスシートを見極めて、市場のルールによって会社更生法が適用されてしかるべきです。
(3)すると、株式は0円となり、出資者は株主責任をとることになります。
(4)公益企業といえども、JALと同様の手順を踏むのが公平ではないでしょうか。JALの飛行機は飛びつづけたように、電力供給は今までと同様に続けられます。
(5)バランスシートの債務超過分は最終的には国民負担となるのはやむをえません。
(6)この手順を踏んで再手続きがうまくいけば、新東電ができるでしょう。
 このようなスキームを早くつくって実行に移さないと補償が進みません。補償が進まないと復興が滞ります。

 発送電分離論とか電力の独占体制をなくし競争原理を導入するとかの案は国民の前でジックリ議論を尽くすべきだと思います。わが国のエネルギー政策全般を見据えた本格的な議論を望みます。翔年はその場合、とにかく原子力が怖い、嫌いという人や東電憎しのスタンスを持つ人の意見はあまり重視したくありません。これからは冷静に公正に、国家の政策として正論を堂々と戦わせる必要を強く感じています。


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