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今回の景気回復局面の特徴

 今回の景気回復局面、、、リーマンショックに至った前回とほぼ類似である。

 

前回は、

・ 中国の通貨安固定政策で、先進国にデフレ圧力と資源価格高騰圧力の両方がかかった。

・ デフレ圧力に抗し、先進国は金融緩和をしまくった。

・ 緩和資金は債券市場、不動産市場、資源市場、証券化市場等エキゾチック市場に流れた。

・ 債券高=低金利持続で株高方向へ。 しかし、資源高で株高が抑えられ、株価低迷、資源高一服で、再度株高進行となった。 資源市場と株式市場のシーソー相場。

・ 金融緩和によるバブリー度合いは、小規模な資源市場とリスクステルスなエキゾチック市場で大きかった。 リスクステルスなエキゾチック市場でのバブルは政策当局者に見えにくく(不動産市場はそれほどバブリーでなかったので尚更)、その分、バブル対策が遅れた(byグリーンスパン)。

・ バブル対策の遅れに慌てて、急激に金融引き締めを行ったため(byバーナンキ)、流動性危機(資金繰り危機)が起こり、リーマンショックに至る。

 

今回も、ベースは前回と同じである。 中国の通貨安固定政策、先進国の金融緩和、資源市場と株式市場のシーソー等。

 

異なる点は次のとおり。

 

・ 中国経済が巨大化し、通貨安固定政策により溢れる人民元の量が莫大になっている。

・ リーマンショック後の財政政策で先進国の債務が膨らみ、債券高=低金利持続が前回ほど容易でなくなっている。 上記や先進国財政出動の困難化と合わせ、先進国の金融緩和は一層巨大化する可能性が高い。

・ バブル崩壊の痛手があり不動産市場、エキゾチック市場に資金が流れにくくなっている。

・ 流動性危機に対する各国間の連携が強まった。 流動性対策が強化された。

・ 人民元安固定政策の危険性が、米国の政策当局者に強く認識されている(しかし、日本の政治家や先進国マスコミには未だ見えてないか、先進国企業が中国に人質になってるので見て見ぬふりの最中)

 

 お金は前回よりジャブジャブになり、当初はおっかなビックリで債券市場滞留だが、株式市場に漸次回帰となるでしょう、たぶん。 株式市場と資源市場は当分シーソーだが、そのうち、両方とも上がりまくるようになる、、これは前回と同様です。

 

 で、バブル対策が弱い新興国にもお金が流れまくる。 バブル対策の弱い新興国とは、巨大経済で、かつ通貨安固定政策を取っている中国である。 他の新興国には資金がそれほど流れず、中国に集中する図式が今回も鮮明になる。 中国では、インフレ率が大きくなるので、少々の通貨切り上げでは実質、通貨切り下げになるのです。

 

 新興国のバブルがひどくなるのが、前回との違いになる? それとも新興国実態経済の急膨張でバブルが正当化されるのか?

 両者を分かつカギになるのは、新興国への技術移転度合いです。

 後者の場合、バブルの軟着陸がある反面、モラル無き新興国の軍事的強大化が起き、世界は不安定化するでしょう。 これは、プラスサムゲームの経済競争からマイナスサムゲームの軍事競争へのパラダイムシフトなので、バブル崩壊以上に事後の世界経済成長を抑えることになる、おそらく。

 

 日本においては経済成長向上(=インタゲ政策推進で構造改革へ)、防衛力の強化、同盟強化が、この状況への備え。  良い同盟関係は、自国の軍事力が強くなければ維持できない。 で、軍事力(防衛力)整備には経済成長が不可欠。 反日左翼思想からの脱却が必要たる所以です。 この思想は、経済成長、防衛力整備、同盟強化、それら全ての妨げになる。 社会主義=官僚統制経済=反自由経済&反民主主義の左翼思想から、市場原理を活用する自由経済へのシフトが必要。 

 

(補足) パワーバランスが無ければ、平和な状態は持続出来ず、平和が持続出来なければ、持続的経済成長もなく、持続的経済成長が無ければ、国民の豊かさは高まらず、豊かさが高まらなければ(=相対的に豊かでなくなれば)、幸福感を維持出来ない。 で、パワーバランス維持には防衛力向上が必要で、防衛力向上には経済力向上が不可欠。 つまり、防衛力、経済力双方の向上が国民の幸福感の基盤。 ゆえに、富国強兵が、いつの世でも、どんな政治体制でも(民主主義でも社会主義でも軍国主義でも)、国家運営の戦略目標(最大目標、究極目標)になるのです。 これを疎かにした国では、国民の幸福を維持できない。

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