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株価低迷とFRBの政策
先週までの日経平均は週足で見ると4週連続の下落となり、震災後の安値を大きく下回っての推移となっています。下落の原因の大部分は外部要因であり、日本株自体は内需産業が震災復興特需に加えて円高による利益率増加によって業績を上げており、逆に輸出産業は円高による業績不安によって伸び悩んでいるという構図となっています。ファンダメンタル的には輸出立国であるだけにやや業績不安の方が優勢に見受けられますが、先週の中頃からこの下落をリトレースメント(押し目)と見たテクニカル筋の買いが入っているようで、諸外国に比べると株価は下げ渋っています。
一方外部要因に目を向けると、欧州の状況は悪化し、アメリカも簡単にQE3には踏み込めないという状況があり、簡単に景気が上向く要因は見当たりません。目下のところはテクニカル面から見た安値感で買いの手が出ていますが、世界経済全体が減速の色を強めれば中長期投資家の売りが出始め、テクニカル分析で短期的に買っている勢力を食いつぶして下落に向かうことになるでしょう。その後のタイミングが最も勝率の高いタイミングであり、勝率70%を超えるシステムで一売買あたりの利益率が高いシステムのほとんどはこのタイミングで買いシグナルを出します。このタイプのシステムを運用している方は来るべき買いチャンスに備えて(尤もそれは必ず来るというものではありませんが)、買うための準備をしておきましょう。
今週発表予定の指標で特に重要なのは金曜日にアメリカで発表されるGDP4-6月の改定値です。市場予想は「1.1%増加」へと0.2ポイントの下落となっています。下落は織り込んでいるものの、FRBからは「足下の景気減速は想定以上のスピードで進んでいる」というような声明が出されており、これが数字としてどのように出てくるのかが注目されます。これと合わせて注目しておきたいのが、同日予定されているバーナンキFRB議長の講演で、株価の低迷に対して何らかの対策発表がある可能性が考えられます。しかし株価対策の代表的な手段である流動性の供給はすでにQE2で過剰なほどに行われており、FOMCの委員であるフィッシャー総裁は先週「QE2の効果については疑問があり、”株価下落=緩和”という印象を多くの市場参加者が持つのは良くない」という旨の発言をしています。実際、供給された流動性によって資金の動き自体は改善されているものの、その資金がリスク資産である株に向かわず、債券や金などの資産に向かっている現状があります。日本の円高も、この資金の一部が日本国債に流れ込んでいるためと考えて良いでしょう。多少話題がそれましたが、この状況についてFRBがどのような対策を出してくるのか、注目しておいて損はありません。
また、同じ金曜日に日本でCPIの発表も予定されています。こちらもこの先の消費について占う重要な指標になりますので気をつけておきましょう。
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