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ソブリン債の劣化と世界経済成長率or貯蓄価値の適正化
今回の景気回復後、先進国の累積政府債務は、日本を筆頭にどこも莫大になります(日本のむごさは傑出しますが)。
ソブリン債がそれほどソブリンでなくなってしまう。 資金調達の基準たるソブリン債がそうなってしまうのですから、世界的に資金調達コストは上がる。 しかも政府累積債務の低減には長期を要すので、資金調達コスト低下までの道のりも長くなる。 これは世界経済成長率への下押し要因。
中国の過剰通貨安固定政策は、今後、先進国の量的緩和もしくは関税的貿易障壁を惹起するので、この点からもこれまでのような資源価格暴騰、景気熱狂は起きにくくなる。 これも世界経済成長率の下押し要因ですが、正確には過熱景気抑制=成長率の適正化、である。
ただ、中国の過剰通貨安固定がなくなっても、先進国企業の新興国シフトと新興国発展のドミノ的連鎖は止まらない(証券化等金融手法もそれに伴い更に発達)。 むしろ、世界経済成長率低迷がこの流れを加速させる(特にソブリン債の回復以降はリスクを取りやすくなり、そうなる)。
然るに新興国シフトの動きは、新興国が過剰通貨安固定政策をとらない限り、適正なペースになり、新興国・先進国双方にメリットをもたらすことになります。
新興国には、過熱とバブルを伴わない安定した最適ペースでの経済成長をもたらし、先進国には実質所得の増大をもたらす。 つまり、短期的な過熱はなくても、安定した経済成長と実質所得増大を新興国・先進国双方にもたらす(日銀のような過剰通貨高誘導政策を取っている国ではそうなりませんが、、)。
ソブリン債が傷んでいるうち(おそらく20年?)は、この安定経済成長ペースも落ちるし、中国以外の新興国が中国同様の(暴力的な)過剰通貨安固定政策を取った場合、世界経済の不安定化と更なる成長ペースの鈍化が起きるでしょう。 これが一つのリスク要因。
もう一つのリスク要因は、ソブリン債の回復、すなわち先進国財務状況の改善がインフレによって成されること。 これは貯蓄価値の低下(過剰膨張分の圧縮)を伴う。 日本においては、このリスクは高く、比較的差し迫ってます(5~10年後?)。
この20年、中国の過剰通貨安固定政策が、新興国シフトと先進国空洞化(世界経済の不均衡)、証券化バブル・ソブリン債バブル・ソブリン債の劣化(世界経済の不安定化)をもたらしましたが、今後20年はこの傷がいやされつつ、調和の取れた経済成長と発展の拡大(民主主義の拡大。経済成長の所得向上は民主化を促すゆえ)に向かう過程、、、、ただし、その過程では貿易紛争、通貨紛争を伴う(ボラテリ拡大や別シナリオシフトのリスクも少なからず)。 大局的にはこんなとこかと。
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