2日後場の日経平均株価は前日比49円78銭高の1万221円84銭と3日続伸。終値としては5日ぶりに1万200円台を回復し、25日移動平均線を上回った。薄商いに動意の乏しい展開が続いたが、買い戻しに支えられ、引けにかけて持ち直した。円相場が落ち着き、輸出関連株も底堅く推移した。東証1部の出来高は14億7512万株。売買代金は1兆268億円。騰落銘柄数は値上がり943銘柄、値下がり546銘柄、変わらず189銘柄。
東洋証券・情報部ストラテジストの檜和田浩昭氏は「3月特有の事情もあって、個人投資家は値動きの良い小型株や新興市場へ流れ、商いの縮小傾向は続くだろう。過熱感もないため、薄商いのなか、底堅い推移が期待される。一方、昨年は底打ちとなったのも3月、08年はベアースターンズへの危機感が強まったのも3月で、何かとドラマの多い時期。法人による売り、メジャーSQ(特別清算指数)、雇用統計、ギリシャ救済の期限などさまざまなイベントがあり、どれがどのくらい、どちらの方向へ作用するかは分からないが、潮目の変わる展開は十分に有り得る」と指摘している。
業種別では、明治海 など海運株が堅調に推移した。アドバンテスト 、東エレク などハイテク株も上昇。SUMCO など半導体関連銘柄も引き締まった。JFE など鉄鋼株や、三菱マテリアル など非鉄金属株も続伸。古河電工 など電線株も買いが優勢となった。コマツ など機械株もしっかり。帝人 など繊維株も買われた。個別では、アイロムHD (監理)が後場急騰。上限2%超の自社株買いを実施する大正薬 、11年1月期連結で黒字予想の積水ハウス が継続物色された。ほか、アデランスH 、河合楽 、主力大証の任天堂 なども高い。
半面、ブリヂス などタイヤ株はさえない。T&DHD 、東京海上 など保険株や、野村 、マネックスG など証券株も下落した。三菱地所 など不動産株も軟調。新日石 、新日鉱HD など石油株も停滞した。三井住友 、新生銀 など大手銀行株の上値も重く、札幌北洋 、スルガ銀 など地銀株の下げも目立った。個別では、2月既存店売上が18%減となったメガネトップ や、3割の店舗閉鎖を発表したベスト電 などが安い。なお、東証業種別株価指数は、全33業種中、25業種が上昇した。
提供:モーニングスター社
「3月特有の事情」とは、転勤や引っ越しのことですか??