穴吹工務店が社長除く全取締役解任へ

[木下 晃伸さん]

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● 【本日のニュース】／穴吹工務店が社長除く全取締役解任へ
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マンション分譲大手の穴吹工務店（高松市）が11月３日に開く臨時株主総会
で、穴吹英隆社長（58）を除く全取締役11人の解任を提案することが28日分
かった。同社は主力のマンション分譲事業が不振に陥り、収益が悪化。組織
の再編や人員削減などで立て直しを進めてきたが、経営再建策を巡る社長と
取締役との間の対立が生じたことが要因とみられる。


同社はすでに臨時株主総会の招集通知を株主に送付。取締役の解任案は賛成
多数で可決される見込み。新たな取締役に穴吹社長の長男、次男ら３人が選
任される見通しだ。


（2009/10/29付日経速報ニュースより抜粋）


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【ニュースの深層】“二度”実質的に“クビ”になったから分かること
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■いつもメールマガジンをお読みいただきありがとうございます。


経済アナリスト、木下晃伸です。



■私は、現在自分で会社を運営していますが、サラリーマン時代に“二度”、
実質的に“クビ”を宣告されています。


だから分かるのですが、クビを覚悟できるのであれば、思い切ったことを言
えます。そして、それは、会社を変えようとする前向きなものであるケース
が多いのではないか、と思います。


でも、それはクビを覚悟した人間側の発想。逆側の人間はそうは考えません。


むしろ、クビを覚悟に変えられてしまっては困るのです。なぜなら、今まで
の価値観が変わってしまったり、場合によっては自分のイスがなくなったり
してしまう事態にも発展してしまうからです。


極論すると「余計なことを言ってくれるな」という状態に陥るのです。



■これは、これからも永遠のテーマとして、経営課題の中心にあり続けるこ
とになるでしょう。


例えば、穴吹工務店の事例も取締役を全員解任して、同族を取締役に入れる、
というのは、一見するとネガティブに見えます。


しかし、不況時に最後の最後まで裏切らずに戦うのは血を分かち合った同族
である、という考えもあります。どちらが正しいかは、分かりません。


分かっていることは、穴吹工務店は、そういう判断をした、という事実だけ
です。決断した、ということにこそ注目すべきです。



■私が「会社は倒産体質」でお伝えしたかったことは、今回の事例に近いで
す。


つまり、自分がどの方向に向かおうとしているのか、ハッキリしているので
あればいい。しかし、中途半端に従来のやり方を残しておくと、、、元々会
社が持っている「倒産体質」がいつ顔を出すか分かりません。



■会社が儲からなくなると悲惨です。儲かっていない状況では、社員のモチ
ベーションを上げることなど、不可能に近くなってきます。


会社の業績が悪化すれば、泥舟に乗っているかのように、自分の給与も下が
ってしまうでしょう。出世も難しくなるかもしれない。


だから、経営者は、まず儲けなければならない、というのは私が常に持って
いる持論です。



■しかし、そうは言っても簡単に儲かる時代ではない。その上で、自社を、
または個人はどう動いていけばいいのか。


パラダイムが大きく変わってしまった時代を生きている私たちにとって、こ
の命題に対していち早く自分なりの答えを出せた人が、豊かな生き方ができ
るのではないか、と思います。


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（文責：木下晃伸　きのしたてるのぶ）



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