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● 【本日のニュース】/8月の米新車、22カ月ぶり前年比プラス
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1日まとまった8月の米新車販売台数(速報値)は、前年同月比1%増の126万1977台と、2007年10月以来、22カ月ぶりに前年同月を上回った。米政府による新車の買い替え支援制度が販売を押し上げた。ただ9月以降は反動減も予想され、販売が本格回復に向かうかは不透明だ。
(2009/09/02付日経速報ニュースより一部抜粋)
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【ニュースの深層】好材料に素直に反応しない時の考え方
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■いつもメールマガジンをお読みいただきありがとうございます。
経済アナリスト、木下晃伸です。
■当メールマガジンでは、6月以降自動車セクターについて多くのコメントを発しています。
特に、7月には米国における自動車産業をこの目で確認、8月に入ってからは、四半期決算発表後の自動車関連企業への直接取材も行っています。
その理由は、もちろん自動車セクターの株高に期待しているから。
■そして、昨日米国の新車販売台数(速報値)が発表、好調ぶりを裏付ける形となっています。
では、株価はどうだったかと言えば、決して芳しいとは言えない結果となりました。
※Ford Motor Company (Public, NYSE:F)
http://www.google.com/finance?q=F
■7月の好調ぶりには、期待以上の株高となったものの、今回の数値は事前に予測されていたものでもあり、好材料とは捉えられなかったということになるでしょう。
さらに、7月、8月と日本同様米国でも拡販に対する政府支援があったことで、需要の先食いを心配する投資家も多いことでしょう。
たしかに、そういった考え方は妥当性があり、納得できるものです。
■しかし、そうした点をすでに会社側は予想しています。つまり、需要の先食いによる不透明要因は、少なくとも会社が発表する会社予想数値の下振れにはならないと考えます。
さらに、好材料出尽くしに関しても、自動車セクターにおいては、秋から冬にかけて好材料が発表されることを私は予想しています。
■株式投資をしていると、いつも悩ましいことばかり。そして、我慢の連続です。
でも、先行きが明るくない中で我慢することは難しい。一方で、株高という明るい先行きを予想できるのであれば、我慢は我慢とはなりません。
いまは株式市場のさらなる上昇に賭けられるかどうか、投資家の姿勢が問われるタイミングであると考えています。
(文責:木下晃伸 きのしたてるのぶ)