割安株投資の基本②

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割安株投資の基本②

①はこちらから

http://minkabu.jp/blog/edit/166828

☆四季報のチェックポイント☆

1.営業キャッシュフロー
⇒プラスが絶対条件。企業の金回り=CF投資CFと財務CFはマイナスでOK

・営業CF・・・営業活動により生じたキャッシュの増減
・投資CF・・・固定資産や有価証券の売買により生じたキャッシュの増減
・財務CF・・・金融機関からの資金調達、社債発行や増資により生じたキャッシュの増減(借金したらプラスに、借金を返せばマイナスになる。)

・フリーCF・・・営業CF+投資CF→プラスならOK。
ただし、企業が成長するため設備投資を先行させる過程においては投資CFがマイナス化し、よってフリーCFもマイナスに転じる状況はよく見られる。 
例)トヨタのフリーCFはマイナスである。
 
2.株主持分比率(自己資本比率)
⇒やたらに株主持分比率が高い万年赤字企業に気をつける!
万年赤字企業でも、第三者割当増資を繰り返すことにより自己資本比率が高くなることがある。

*「株券印刷会社」に注意!
・第三者割当→発行済み株式数が増加するので1株あたりの価値が薄まる。
・減資・・・累積赤字と資本準備金を相殺する手法→単独決算で累積赤字がなければ配当可能だが、万年赤字体質がバランスシートからうかがい知ることができなくなる。
・株式併合→発行済み株式数が減少するので需給改善につながるが、これまでの第三者割り当てによる株価下落が見かけ上ごまかされる。

これらの「株券印刷会社」は常時外部からキャッシュが注入されるので「収益計算書はメタメタでもバランスシートは健全」であり、以外にも破たんリスクは低い。

「株券印刷会社」を見分ける10カ条
①上場先が東証一部以外である。
②万年赤字経営である。
③株主持分比率が異常に高い。
④最低投資金額が安い。
⑤企業規模の割に多角経営。
⑥IRがやたらに過剰
⑦経営陣がコロコロ変わる。
⑧株価は低迷でもネット掲示板は活況。
⑨前社名と全くかすらない社名変更を頻繁に行う。
⑩正直、何やってる会社かわからない。

3.現金同等物=現金・預金・3か月以内の短期投資
⇒時価総額が現金同等物総額以下で放置されてる銘柄は、企業の価値自体が無視もしくはマイナス評価されており、割安と判断できる。(建設関連銘柄に多い)

4.営業利益

・営業利益=売上高 - 経費
・経常利益=営業利益 +- 営業外損益
・純利益=経常利益 +- 特別損益、税金

営業利益 < 経常利益 > 純利益 の状態でコンスタントに計上可能な企業は負債ゼロ、もしくは減少、かつ配当金や土地建物の賃借料等を多額に受け取っている優良健全企業である。

*遊休資産の売却益や金融機関による債権放棄によって特別利益が計上され、純利益がかさ上げされてる企業には要注意!

5.利益剰余金
⇒豊富な利益剰余金=優良体質

毎年キチンと収益をあげていれば利益剰余金は自然と積み上がり、プラスになっていて当然。だが、マイナスであっても過敏になるな!「利益剰余金はキャッシュにあらず」単なる「過去の実績」であり、現在の企業経営に対して直接的に関与するものではない。大切なのは「今日のキャッシュ」である。

*「利益剰余金」と「営業利益」は合わせて判断する。

①利益剰余金がプラスで営業利益がプラス継続傾向
→堅実に着実に利益を重ね、剰余金を積み上げている。
②利益剰余金がマイナスで営業利益がプラス継続傾向
→業績がふるわず赤字が続き、剰余金を食いつぶしてしまったものの、かつての没落状態から這い上がってきている。利益剰余金がマイナスであっても足もとの業績で利益が出ているのであれば安心。
③利益剰余金がプラスで営業利益がマイナス継続傾向
→過去の栄光の証である剰余金が今日の衰退により食いつぶされつつある。足もとの資金繰りに関して不安があり、営業CFがマイナスに転落している可能性もある。
④利益剰余金がマイナスで営業利益がマイナス継続傾向
→業績不振により赤字経営、さらに利益剰余金も全て食いつぶしてマイナス状態。
資本の部を侵食して脆弱体質となり、通常は低PBR銘柄とはなりえない。
*復配寸前(利益剰余金がプラス転換寸前)の②を狙え!
利益剰余金がマイナスであれば会社法により配当は行えない。しかし目下業績が好調で利益を積み重ね、利益剰余金をプラス転換させるべく着々と事業を営んでいる企業が復配する可能性は大きい。
4件のコメントがあります
  • イメージ
    思惑さん
    2009/8/29 19:36
    こんばんは、多分ここを見たほうがいいと思われることをまとめました。
    補足してみましたと言い換えてもいいです。

    >☆四季報のチェックポイント☆
    >・フリーCF
    成長のための設備投資を見るには、減価償却費と設備投資の関係を見たほうがいいと思います。
    減価償却費<設備投資がメーカー成長パターンの必須項目です。
    例:6255NPC
    減価償却費93<設備投資1836

    >時価総額が現金同等物総額以下で放置されてる銘柄
    無借金会社がこの状態になった場合は、文句なく割安です。
    忘れもしない2008.10.10のリスクモンスターを!
    記念に投稿してみました。
    http://messages.yahoo.co.jp/bbs?.mm=FN&action=m&board=1003768&tid=3768&sid=1003768&mid=10374

    >*復配寸前(利益剰余金がプラス転換寸前)の②を狙え!
    具体的に書けば、欠損無配会社で5円復配を狙える会社のうち100円を割らない銘柄を買え!
    ということになります。
  • イメージ
    月とスッポンさん
    2009/8/29 20:39
    はっぴいえんどさんこんばんわ☆

    >減価償却費<設備投資がメーカー成長パターンの必須項目です。

    減価償却費というのがイマイチ???なのですが(言葉の意味はわかるのですがそれと設備投資との関係がよくわかりません><)が、頭に入れておきます☆

    ヤフーのアバター拝見しました☆イメージがとてもお若くて意外でした(笑)

    >欠損無配会社で5円復配を狙える会社のうち100円を割らない銘柄を買え!

    100円を割らないというのは何か重要な意味があるのでしょうか???
  • イメージ
    思惑さん
    2009/8/29 22:15
    減価償却費=全設備の当期費用化額(簡略的に当期設備使用額と考えても大きくはずれてはいない)
    要するに現状の設備を維持しようとすれば、当期の減価償却費程度の設備投資を毎期しなければならないということです。

    100円を割らないというのは、過去の50円額面の株式についてです。

    日本の標準的な株は、額面50円で1割配当(5円)です。
    株価(時価)は配当利回り5%の100円が下限値です。

    ゆえに日本では、100円割った株は保有禁止にしているルールの機関投資家は多いはずです。(よくは知りませんが)

    100円を割れることは、倒産リスクが高まったことを意味します。
    http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p031001.html

    例を上げれば、三洋電機は100円を割れることはなかったので倒産リスクはほとんどなく、5円復配期待が大きいことが伺えます。
    パイオニアは100円を割ったことにより、瀕死の重傷を負ったことが伺えます。
    三洋電機とパイオニアの倒産確率は雲泥の差があると思います。
    ※新興株については、上記「株券印刷会社に注意」で結構だと思います。
  • イメージ
    月とスッポンさん
    2009/8/30 23:29
    はっぴいえんどさんこんばんわ☆

    丁寧なご回答ありがとうございます*^^*

    おかげで理解が深まりました^^

    財務会計の話は勉強してはみるものの、なかなか理解がむずかしいです ><
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