喰えない男 -鳩山邦夫

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喰えない男 -鳩山邦夫

 読売新聞夕刊によると、鳩山総務相は日本郵政の西川善文社長の更迭を求めて、「もし社長続投なら、自分が辞任する」と強く示唆した。

 都内の自宅前で記者に言った総務相の言葉をまず確認しておこう。

辞任もじさないのか?という質問に対し
○ 「私は信念を曲げることはしない。それで察してほしい」
○ 「政治家の言葉は軽々しいものであってはいけない」

 言葉だけをみれば何の問題もない。問題がないどころか立派すぎる言葉だ。だが、この男の言う事を額面どおり受け取るほど、翔年は甘くない。かんぽの宿の売却問題で「我こそは正義の味方」みたいなことを言って、わざと正論から外れた所で大衆を扇動しようとたくらんでいると見ているので。



 鳩山総務相の過去の問題と思う行動を列挙して、どんな信念の持ち主なのか、この男をじっくり研究してみたい。読者も是非おつき合い下さい。

1 アルカイダの友達について
 2007年10月29日、日本外国特派員協会の講演で2002年のバリ島爆弾テロ事件に関連し「私の友人の友人がアルカイダなんですね。バリ島の中心部は爆破するから近づかないようにとアドバイスを受けた」と発言した。出入国を所管する法務大臣(当時)が大規模テロ事件の情報を事前に掴んでいたかのような発言をした。
 これが問題視されると、鳩山は、「ご心配をかけて申し訳ない」と福田首相(当時)に謝罪したが、直後の記者会見では「事実を言ったらいけないのか。知り合いの知り合いということでは間違いない。」と言った。

 その後、11月3日、自らの選挙区で行われた秋祭りの挨拶で、「本当のことを、事実を言うと、みんながびっくりしてマスコミが騒ぐ。テロリストの怖いのが平気で日本をうろうろしている。私はその事実を知っているから申し上げている」ともコメントした。

 鳩山はアルカイダ関係者と見られる人物を当局に告発しておらず、刑事訴訟法239条2項に違反していると指摘されている。
→ 法務大臣が極めて疑わしき人物を入国させたり、日本中をウロウロさせたりして、何も手立てを講じないのは、法によって国民の安全を守るべき立場の大臣とも思えません。言動も軽々しいですね。

 また、アルカイダに関し 衆議院法務委員会での答弁では、鳩山はアルカイダ関係者と見られる人物が出入国管理及び難民認定法に触れる可能性を認識したが、友人の立場を考慮し告発は行わず、関係当局への連絡にとどめたとしている。なお、鳩山は「警察にも入管にも防衛省にも、公安調査庁に言ったかどうかはよく覚えておりませんが、かなり厳しく言いました」と主張しているが、連絡した相手の人名等を問われると「記憶にはありません」「だれにいつどうしたということが今のところはっきりしておりません」との答弁を繰り返している。
→ こんな人物が法務大臣になっていたのです。「信念」も「言葉」もいい加減です。それが今は総務相で、「信念」だとか「政治家の言葉は軽々しくあってはいけない」などと、国民に向かって大口をたたいている。噴飯物です。

2 2007年10月31日の衆議院法務委員会の発言について
「私が田中角栄先生の私設秘書になったとき、毎月のように、ペンタゴンがやってきて食事をごちそうしてくれた。当時、私は金がありませんから『ウナギが良い』とか『天ぷらだ』などと言ってた。私は1円も払っていない」と発言している。
→ アメリカのロビー活動の手先となっていたことは間違いない。そう言われても仕方がない振る舞いをしている。その行動を恥じていない所がなんとも破廉恥です。


3 ユーロ・ジャパン・コーポレーション問題について
『週刊ポスト』によると、鳩山邦夫と彼の母が25%ずつ出資する投資顧問会社「株式会社ユーロ・ジャパン・コーポレーション」(東京都杉並区、投資顧問業者登録番号関東財務局長127号)を相手取って起こされていた「不当利得返還請求訴訟」において、2006年11月東京地裁民事第10部はユーロ社に対して総額1,200万円の返還を命じる判決が下された。鳩山邦夫事務所はユーロ社の運営に深く関わりを持っていたことが報じられたている。ところが、『週刊ポスト』が取材を申し込んだ翌日(9月4日)にユーロ社の商業登記簿より鳩山の名前が取締役から抹消されていることが明らかとなっている。
→ この男の信念って一体何なのだろうか?

4 フィリピン自然保護区におけるチョウの違法採取疑惑について
 日刊ベリタの2007年4月2日、4月3日、4月27日、8月27日の一連の記事によると、鳩山邦夫は、2006年12月、公用ビザでフィリピンに入国し、同国の自然保護区「パライパライ山系マタアスナグロド国立公園」に入った。同地区ではチョウの採取は禁じられているが、鳩山に依頼され同行したフィリピン在住のチョウ収集家の男性、日向博美氏の捕虫網が高圧電線に触れる事故が起き、日向氏は感電して入院。手術で両足ひざ下を切断、脳外皮損傷部を切除した(翌年4月、多臓器不全で死亡)。鳩山は「チョウの観察をしていただけ」と説明しているが、捕虫網を持っていたことについてチョウの違法採取を行っていたとの疑惑が持ち上がっている。
→ 蝶の観察するのに捕虫網はいらない。まして高圧電線に触れるほど高く上げる必要はさらさらない。人格者なら、「李下に冠をたださず」の行動をするはず。「観察していただけ」という彼のいい訳は見苦しいかぎりですね。


 人間は複雑な生き物である事は承知していますが、鳩山総務相の「かんぽの宿」売却にかこつけた郵政改革を後戻りさせる意図には反発を感じて、あえて過去の彼の汚い態度を集めてみました。
 信念の男というより、パフォーマンス好きの男みたいです。

 あとは読者のみなさまのご判断にゆだねます。


※ (参考)2009/01/19のエントリーで「かんぽの宿は不良債権処理の筈だ」を書いています。
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