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今こそワークシアリングを

 世界中を不況の風が吹きまくっている。アメリカ発とはいえ、経済がグローバル化しているから、ヨーロッパ、日本、中国、韓国も暴風圏だ。地球を覆いつくしてしまう勢いだ。この最悪状態を脱して、経済が底を打って上昇に転じるには早い業界で2,3年、遅い業界や対応が旨くできない国(主に金融面)は10年ぐらいかかるかも知れない。わが国だってバブルがはじけた時は収束に10年以上を要しているのだから。

 経済成長が鈍化するのはやむを得ない事だから受け入れるとして、一番心配なのは雇用である。雇用確保について新聞が伝える政府当局や識者の見解は「企業が首切りをするのはけしからん」という意見一色である。そうかも知れないけれど、「けしからん」と叱って立ち直れたら言うことないが、親が子どもを叱るようなもので、大して効かないと思う。

 翔年はこういう時こそ真剣に雇用について、もう少しましな踏み込んだ議論をしていただきたいと思う。それは「ワーク・シェアリング」ということです。雇用をみんなで分け合うのです。

 仕事がないからと言って、首切りで対処すると失業者が国中に溢れます。首を免れた社員は長時間の重労働が待ってます。なぜなら、文句を言えば首を切られるのですから、少人数で多くの業務処理を求められて、超過労働時間に苦しめられることでしょう。

 そんなことにならないように、政府は「ワ-クシェアリング制度」を今こそ推奨し、制度としてうまく働くように腐心すべきだと思う。

 例はイギリスにある。イギリスでは1977年に失業者の追加雇用を目的とした早期退職制度、1979年には生産活動の停滞により発生した短時間労働者を対象とした操業短縮保障制度が導入された。少ない仕事をみんなで時間分担して凌ぐのです。人口減少で内需拡大が期待できないわが国はそうするより他に道はない。そのような仕組みで、労働力を抱えて耐えていた企業は、経済が上向いた時の立ち上がりも早いに違いありません。
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