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また改革の後退だ

 Yomiuri Onlineによると、政府はまた改革をズルッとずらせた。

 政府が2009年度に設置を予定していた国家公務員の幹部人事を一元管理する「内閣人事局」について、設置が10年度以降に先送りされる見通しとなった。

 省庁間の調整が進んでいないことに加え、新組織の規模など具体的な制度設計が遅れ、年末の予算編成に間に合わないためだ。

 政府首脳は22日午前、「09年度中の設置は極めて難しくなった」と記者団に明らかにした。甘利行政改革相が、近く麻生首相と会談して、最終決定する。

 今年6月に施行された国家公務員制度改革基本法は、「縦割り行政」の打破をめざし、施行後1年以内をめどに、内閣人事局を内閣官房に新設するための関連法案を提出するよう定めているにも拘わらず、自民党の怠慢と霞ヶ関の各省庁が反対しているため、先へ進めることが出来ないのだという。

 そもそも、自民党の各派閥が「福田総理、福田総理」と雪崩を打って担いだ時から、「改革」という言葉こど残ってはいたが、改革の意気込みはどこにも見られなくなっていた。後をついだ麻生内閣も似たようなもの。
 与党に改革の意思がないと察知したら、官僚はもう言うことを聞かない。お得意の「できません」のオンパレードだ。人事権を奪われることになる各省が強い抵抗を示し、具体的な制度設計作業はほとんど手つかずの状態で放置されていた。それを知りながら、政治家の誰一人、改革を推進するためのリーダーシップをとろうとしなかった。政治家の本心はこうなるのを望んでいたのだと思う。志の低い、もしくは志をもっていない議員を選んだ国民は、これからも改革とは名ばかりの改革もどきの政治を甘んじて受けなければならない。あぁ。

 そして与党は国民の目を欺くために、内閣人事局の設置を先送りする代わりに、「国家公務員制度改革のスケジュールを、当初予定していた5年間から、4年間程度に短縮した工程表をつくり、改革のスピードを遅らせない姿勢を打ち出す」らしい。
 改革の柱となるべき「内閣人事局」を先送りしておいて、何が公務員制度改革のスケジュール短縮か。こういう嘘偽りは漢字の読み間違いより、罪が大きい。

 最近、我々は国語力にはより自信を深めている。「改革」とは「社会制度や機構・組織などを改め変えること」ですよ。麻生首相。
 首相! 省庁の縦割り意識を改めさせるために、人事に手をつけようということではなかったのですか?
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