1. 中長期の成長戦略と新中期経営計画「SSG 2021」の概要
グローセル<9995>は2019年5月に、2020年3月期−2022年3月期までの3ヶ年中期経営計画として、持続的成長可能な企業を目指す新中期経営計画「SSG 2021」を発表した。この「SSG 2021」のネーミングは、「Semiconductor(半導体)とSensor(センサー)でGlobal(グローバル)にGrowth(成長)する」に由来している。これまでの同社の主力商材であるSemiconductorに加えてSensorという新商材を中期経営計画に冠したことは、この新商材の成功に自信を深めている証左と言えるだろう。
当初の「SSG 2021」の定量的目標は、2022年3月期に売上高912億円、営業利益16.1億円であったが、足元でコロナ禍の影響が発生したことから、それまでの目標を一旦白紙とした。その後、新たに外部環境に左右されない経営指標として、2023年3月期に売上規模800億円、(ルネサスエレクトロニクス製品600億円、CSBほか200億円、うち「STREAL」30億円)、営業利益率2.0%を掲げた。現時点においてはこの目標数値に変更はないが、目標時期を1年遅れの2024年3月期とした。会社は「コロナ禍の影響もあり先行きは不透明であるが、この目標達成は十分可能である」と述べている。
定量的目標と時期は変更されたが、定性的な目標は変わっておらず、この間も以下のような取り組みを粛々と進める計画だ。
(1) 「ルネサスエレクトロニクス製品」を軸に、重点分野である自動車・産業分野での拡販を推進
(2) 「新商材・新規ビジネス」の取り組み強化
(3) 「STREAL」事業の一層の推進と拡大
(4) 国内・海外の連携強化による海外ビジネスの拡大
(5) 特約店との連携強化による一体となった営業活動強化
(6) 更なる技術力強化(One Stop Solutionへの取り組み)
(7) コロナ禍対策:時差出勤、在宅勤務、特別休暇付与等を実施し、社員の安全と雇用の確保を優先
(8) 「Society 5.0」を支える技術革新に積極的に取組み、CSR活動を通じてSDGsの達成に貢献、強固なコーポレートカルチャーを確立
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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