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2020/02/07 - グローセル(9995) の関連ニュース。■中長期成長戦略2. ルネサス製品の売上、デザイン-インの強化・推進グローセル<9995>はその設立の経緯(イーストンエレクトロニクスとルネサスデバイス販売が合併して誕生)から明らかなように、ルネサスの特約店として成長を遂げてきた。現状では、売上高の約80%弱をルネサス製品が占めており、ルネサスの側から見ても、同社は常に特約店トップ3の一角を占める重要な存在であった。そうした同社にとって、ルネサス製品の拡販を成長戦略のトップ項目として掲げるのは当然のことと言える。売上拡大における具体的な戦略は「デザイン−イン」の強化・拡大だ。

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グローセル Research Memo(7):ルネサス製半導体の拡販が成長戦略の主軸であるのは不変(1)

配信元:フィスコ
投稿:2020/02/07 17:37
■中長期成長戦略

2. ルネサス製品の売上、デザイン-インの強化・推進
グローセル<9995>はその設立の経緯(イーストンエレクトロニクスとルネサスデバイス販売が合併して誕生)から明らかなように、ルネサスの特約店として成長を遂げてきた。現状では、売上高の約80%弱をルネサス製品が占めており、ルネサスの側から見ても、同社は常に特約店トップ3の一角を占める重要な存在であった。そうした同社にとって、ルネサス製品の拡販を成長戦略のトップ項目として掲げるのは当然のことと言える。

売上拡大における具体的な戦略は「デザイン−イン」の強化・拡大だ。「デザイン−イン」とは、新製品への採用内定をさす。顧客が新製品開発を進める初期段階から計画に参画し、顧客ニーズを満たすようなソリューション提案を行っていく必要があるため、顧客との信頼関係が厚く、期待に応えられるだけの技術力がないと参画は出来ない。

(1) 今期の「デザイン-イン」目標は500億円
2020年3月期第2四半期のルネサス製品のデザイン-イン金額(売上高ではなく、数年間にわたる生涯売上見込の累計額)は、193億円(自動車分野112億円、産業分野他81億円)であったが、下半期は307億円(同198億円、同109億円)を見込んでおり、通期では500億円(同310億円、同190億円)を目指している。

上半期の主なデザイン-イン事例としては以下のようなものがあった。

(2) 主要3分野での取り組み強化
同社では、「スマートカー」「スマートファクトリー」「スマートインフラ」をデザイン-インの重要分野と定めて取り組んでいる。技術的な課題としては、「コネクティビティ」「センシング」「セキュリティ」「ローパワー」がキーワードとなっている。具体的な取組事例は以下のようになっている。

a) 自動運転・コネクテッド
ルネサスが発表したRenesas autonomy(自動運転時代に向けた新たなコンセプト)に基づき、R-Car、RH850、RL78などの主要製品を中心に、以下のような取り組みを強化する。各製品に精通し、ソフト開発力、提案力を持つ同社の強味を活かして推進する。
1) 次世代自動運転に向けたソフトウェア開発受託推進(機能安全対応、セキュリティ技術蓄積)
2) R-Carエンジニア体制強化
3) 情報(R-Car)、制御(RH850)ソフト開発支援
4) OEM/Tier1 ADAS/AD向けハードウェアの供給・技術サポート及び、ソフトウェア開発支援

b) スマートファクトリー・スマートインフラ・スマートハウス
ルネサスが開発したRenesas Synergy (マイクロコントローラ用に開発・最適化され、動作保証されたソフトウェアパッケージ)に基づき、RA、RE、RZ、RX、R-INなどの主要製品を中心に、以下のような取り組みを強化する。この分野も、各製品に精通し、ソフト開発力、提案力を持つ同社だからこそ可能な分野であり、今後の成長の推進力となることが期待される。
1) 「STEREAL」とREL製MCU活用したコンポーネント事業で、トルクセンサーモジュールを開発
2) 車載開発プロセスとデバイス知識を生かし、建機・農機分野へのソフト開発深耕。半導体トレーニングセンターの運用を開始、車載・建機向け新人教育を推進
3) SIer活用したRZ/G開発ノウハウを医療分野、ICT分野へ横展開(「STEREAL」機能の充実化と実現)

(3) ルネサス製品をコアにした各分野へのOne Stop Solutionを提供

マイコン製品(R-Car、RH850等)、各種センサー、LSI開発・ハードウェア受託(EMS)、ソフトウェア開発(ADAS/ECU)、SIer活用・連携開発、技術サポート(セキュリティ/AI)、カスタム(デジアナ混載設計サポート)、半導体トレーンイングセンターなどの様々な製品や要素技術、サポート体制等を有する同社だからこそ、上記のようなOne Stop Solutionが可能と言える。

a) スマートカー市場におけるOne Stop Solution
同社は現在でも、スマートカー市場における自動運転レベル2(高速道路:同一車線)や同レベル3(高速道路:車線変更)では様々なソリューション(車載ネットワーク、カメラ画像描画、通信データ保護、プログラム解析等)を提供している。今後は、核となる技術を集積してさらに高度な同レベル3(バレットパーキング、高速道路:より高度な車線変更)や次世代自動運転と言われる同レベル4に向けた開発を推進する。ちなみに自動運転レベル2の総プログラム行数は約250万Stepであるのに対し、自動運転レベル3では約400万、同レベル4では約700万Stepが必要となり、半導体商社でこのレベルの開発を行える企業は少ない。

必要な要素技術:コネクティビティ、センシング、セキュリティ、ローパワー
主要製品:R-car、RH850、RL78等

1) 自動駐車支援システムへの深耕
・ナビ、アラウンドビュー向けソフトウェア開発
・情報(R-Car)、制御(RH850デバイス)サポート
・アナログカスタムIC開発支援

2) バレットパーキング/高速道路車線変更への深耕
・機能安全対応、セキュリティ技術蓄積
・R-Car向けエンジニア体制の充実:前年比倍増
・OEM/Tier1向けデバイス供給、開発支援

b) 産業分野におけるOne Stop Solution
産業、医療におけるルネサスマイコンのプラットフォーム展開を加速させる。

必要な要素技術:コネクティビティ、センシング、セキュリティ、ローパワー
主要製品:R-IN、RZ、RX、RA、RE等

1) 医療機器へのネットワーク機能確立
・医療モニター向けRZ用ソフト開発支援体制増強
・車載開発のノウハウを他分野へ活用
・プラットフォーム提供による開発効率向上

2) ロボット機器へのソリューション構築
・ルネサスと同社によるトルクセンサーの共同開発
・SIerと連携したRZ/G開発ノウハウの横展開
・ルネサス新マイコンに対するサポート体制強化
・OEM/Tier1向けデバイス供給、開発支援

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)


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配信元: フィスコ

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