3. 財務状況と経営指標
2023年3月期末における資産合計は前期末比3,850百万円増の40,663百万円となった。これは主に、売掛金や商品、敷金・保証金、繰延税金資産、現金及び預金などが増加したことによる。負債合計は同487百万円増の10,784百万円となった。これは主に、未払法人税等、未払消費税等や賞与引当金などが減少する一方、買掛金や未払金などが増加したことによる。買掛金や未払金の増加は、事業活動の拡大に伴うものだ。純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上に伴い、同3,362百万円増の29, 878百万円となった。
以上の結果、流動比率(流動資産/流動負債)は前期末比17.8ポイント上昇の384.6%となり、短期的な支払い能力は極めて高い。また、固定比率(固定資産/自己資本)は同0.1 ポイント減少の33.4%であった。固定資産(設備投資等)の調達は返済期限のない株主資本で十分に賄われており、無借金経営を続けている。自己資本比率は73.5%と同1.4 ポイント上昇し、東証1部の情報・通信業の平均(2022年3月末平均31.4%)を大きく上回っていることから、財務の健全性は極めて高いと評価できる。同様に、同社のROEは14.5%、ROAは14.0%で、東証1部の情報・通信業平均の5.0%、3.9%を大きく上回っており、収益性も極めて高いと言える。
2023年3月期末における現金及び現金同等物の残高は、有形固定資産の取得や配当金の支払などの支出を営業活動の結果得られた資金で賄い、前期末比175百万円増の15,352百万円となった。
各キャッシュ・フローの状況を見ると、営業活動の結果得られた資金は1,998百万円(前期比1,734百万円の収入の減少)となった。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上に対し、売上債権、棚卸資産、仕入債務などの増加に加え、法人税等の支払などがあったことによる。一方、投資活動の結果使用した資金は1,010百万円(同666百万円の支出の増加)となった。これは主に、有形固定資産の取得、敷金及び保証金の差入や長期前払費用の取得などの支出によるものである。さらに、財務活動の結果使用した資金は818百万円(同210百万円の支出の増加)となった。これは主に、配当金の支払によるものである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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