■株式見通し:売り一巡後は底堅い相場展開、決算を手掛かりとした日替わり物色に
■ファナック、23/3営業利益 4.4%増 1913億円、24/3予想 18.3%減 1563億円
■前場の注目材料:凸版印刷、傾きで潜像出現「新ホログラム」開発、偽造困難・真贋判定容易
■売り一巡後は底堅い相場展開、決算を手掛かりとした日替わり物色に
27日の日本株市場は、売り一巡後は底堅い相場展開になりそうだ。26日の米国市場はNYダウが228ドル安だった一方で、ナスダックは55ポイント高と3日ぶりに反発。マイクロソフトなど予想を上回った決算が材料視されて買い先行で始まった。ただし、1-3月期に予想を上回る預金流出が発生したことを明らかにしたファースト・リパブリック・バンクが大幅に続落するなか、信用不安が再燃する格好からNYダウが下げに転じた。景気敏感株が軟調な反面、半導体株の一角が買われた。シカゴ日経225先物清算値は大阪比95円安の28315円。円相場は1ドル133円60銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、売り優勢の相場展開が見込まれる。日経225先物はナイトセッションで一時28250円まで売られ、25日線辺りが次第に意識されてきた。昨日取引終了後に決算を発表したファナック<6954>やアドバンテスト<6857>は今期見通しがコンセンサスを下回ったこともあり、指数の上値を抑える格好になりそうである。一方で、メタ・プラットフォームズが発表した決算は1株利益と売上高が予想を上回り、時間外取引で10%を超える上昇となったため、指数インパクトの大きい値がさ株の下支えになりそうだ。そのため、売り一巡後は次第に底堅さが意識されよう。
もっとも、主要企業の決算に振らされやすい需給状況である。大型連休を控えていることから積極的な売買は手控えられやすく、ゴールデンウイーク中に米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えているため、アク抜けを意識しつつも、いったんはキャッシュ化する動きにも向かわせそうである。そのため、個人主体の中小型株においては、利食い優勢の展開が見込まれる。短期的な売買が中心になるなか、決算を手掛かりとした日替わり物色になろう。
昨夕決算を発表したところでは、ファナックとアドバンテストについては売り一巡後の底堅さを見極めつつ、自律反発狙いの動きが期待される。そのほか、日空ビル<9706>、野村不HD<3231>、日立建機<6305>、JR東海<9022>、イチネンHD<9619>、サイバートラスト<4498>、フィード・ワン<2060>、Finatext<4419>、キヤノン<7751>、野村マイクロ<6254>、オムロン<6645>などが注目されそうだ。
■ファナック、23/3営業利益 4.4%増 1913億円、24/3予想 18.3%減 1563億円
ファナック<6954>が発表した2023年3月期業績は、売上高が前期比16.2%増の8519.56億円、営業利益は同4.4%増の1913.59億円だった。FA部門については、CNCシステムの主要顧客である工作機械業界の需要は、横ばいであった中国を除き好調に推移した。2024年3月期業績は、売上高が前期比3.8%減の8195億円、営業利益は同18.3%減の1563億円を計画。コンセンサス(2000億円程度)を下回る。なお、自社株647万株を5月31日に消却すると発表。発行済みの0.64%となる。
■前場の注目材料
・ナスダック総合指数は上昇(11854.35、+55.19)
・SOX指数は上昇(2922.99、+16.71)
・米国景気は拡大
・日銀は金融緩和を継続
・コロナ後の人流再開
・凸版印刷<7911>傾きで潜像出現「新ホログラム」開発、偽造困難・真贋判定容易
・新東工業<6339>菌・ウイルス抑制「工場用空気清浄機」投入、安全・快適性向上
・ホンダ<7267>TSMCと戦略的協業で基本合意、半導体を安定調達
・三菱重<7011>岩谷産業と液化水素昇圧ポンプの開発・販売で連携
・三井物産<8031>アフリカ・キヨスクに出資、DXマーケ支援
・日野自動車<7205>VW系と協業解消、経営課題への対応優先
・IDEC<6652>アルプスアルパとの共同出資会社、ミリ波レーダーセンサー製品化
・横河電機<6841>サウジで世界最大規模の淡水化プラント更新受注
・日本製紙<3863>均一分散「CNF粉体」開発、輸送・保管コスト10分の1
・レンゴー<3941>セロファン2千円値上げ、6月出荷分から
☆前場のイベントスケジュール
<国内>
・日銀金融政策決定会合(28日まで)
<海外>
・特になし <ST>
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