【QAあり】INTLOOP、3Q累計の売上高は前年比+26.5%、営業利益は+56.8%で過去最高 高収益案件の獲得や営業体制強化が奏功
エグゼクティブサマリー①

林博文氏(以下、林):みなさま、こんにちは。INTLOOP株式会社代表取締役の林です。2025年7月期第3四半期の決算資料についてご説明します。
まず、エグゼクティブサマリーです。売上高は前年同期比26.5パーセント増の247億8,700万円、営業利益が前年同期比56.8パーセント増の15億1,400万円で、売上高、営業利益ともに第3四半期の累計としては過去最高となっています。
売上高の進捗率は71.7パーセントと、進捗状況としてはあまり良くありませんが、こちらに関しては前期から引き続き収益性を重視して案件を獲得しているためです。一方で、収益性を高めた案件に注力した結果、営業利益は76.9パーセントの進捗となり、通期の業績予想を上回る見込みです。
売上高、営業利益とも過去最高となった背景としては、高収益案件の獲得が進捗したこと、伊藤忠グループ他売上構成比の高い主要顧客向けに専任の営業組織を設けて、営業体制を強化したことがあると思っています。
また、当社のグループ会社であるディクスグループが売上高、営業利益以下すべて想定どおり達成して、連結業績に貢献しています。
エグゼクティブサマリー②

「人的資本の拡充」に関しては、第3四半期でハイレイヤー人材の採用がある程度進んでいます。加えて、新卒社員が4月に入社したので、採用費・研修費等も第3四半期で計上しています。新卒社員のうち、デリバリー社員、コンサルタントやエンジニアに関してはまだ育成・研修が続いていますが、営業に関してはすでに現場に入っており、少しずつ収益に貢献しています。
ハイレイヤー人材も含めて、採用した直後に成果を出すことはなかなか難しいところもあるため、そのアイドリングもある程度営業利益のマイナス要因になっていると思います。しかし、それもカバーして過去最高の営業利益になっています。
今後、人材採用が当社のキーになっていくということもあり、コミュニケーションを円滑にする意味でも、4月に新社屋の中にカフェテリアをオープンしています。夜にはお客さまにも使っていただけるような、コミュニケーションを活性化する場として活用しています。
「新規事業領域の拡大」については、「INTLOOP Ventures Innovation Community(IVIC)」が4月に発足し、今お話ししたカフェテリアでいろいろなイベントを開催しています。4月にスタートアップのピッチイベントを行うなど、このプロジェクトも順調に推移しています。具体的な内容については後述します。
エグゼクティブサマリー③

スライドは、第4四半期と来期の売上高と営業利益の見通しを棒グラフで表しています。今期の予想としては売上高が345億円、営業利益が19億円です。
来期に関しては売上高が438億円、営業利益が31億円の見通しです。営業利益を高める方向に少しずつ向けるため、高収益案件を取っていくことに注力していきたいと考えています。
エグゼクティブサマリー(参考資料①-1)〜ハイレイヤー人材の採用

ハイレイヤー人材の採用は予定どおり進捗しています。スライド左側のINTLOOP本体ではデジタルコンサルティングのメンバーが中心ですが、コンサルティング部門でデリバリーが4名、バックオフィス系が6名と、第3四半期までで10名を採用できています。第4四半期も、ハイレイヤー人材がもう少し入ってくる予定です。
スライド右側にあるINTLOOP Strategyのマネージングディレクターとは、産業セクター別の収益責任を負う立場の人間ですが、こちらが第3四半期に2名、その補佐役であるディレクターが1名の合計3名、通期では合計5名採用しています。こちらも第4四半期に何名か採用を予定しています。
エグゼクティブサマリー(参考資料①-2)〜ハイレイヤー人材の採用(INTLOOPグループ)

INTLOOP Strategyの体制は、この1年で急速に立ち上がりました。
スライドの表の横軸は産業領域別の担当です。ディレクターも一部いますが、ハイテクから公共サービスまで、ほとんどのセクターをカバーしています。一方、縦軸が業務領域別の採用です。現時点ではコーポレートファイナンスのみ採用が進んでおり、残りは順次採用を予定しています。
エグゼクティブサマリー(参考資料①-3)~ハイレイヤー人材の採用(INTLOOP)

現在は、社内の基幹システムを含めて筋肉質な体制に変えていく途上にあります。バックオフィスについてもマーケティング、ファイナンス、IT戦略に関する非常にハイレイヤーの人材を採用し、当社の体制強化をどんどん進めています。
エグゼクティブサマリー(参考資料②)〜INTLOOP本社オフィス

スライド上段が我々のオフィスの写真、下段がカフェテリアの写真です。カフェテリアはオープン直後から、全社集会や入社式をはじめ、社内のイベントでかなり活用しており、社員のモチベーションアップにつながっているのではないかと期待しています。
社内のイベントでも頻繁に使用しており、「IVIC」イベントや、当社の下で働いていただいているビジネスパートナーあるいはフリーランスの方向けのイベント等も開催しています。こちらも継続的に開催していく予定です。
エグゼクティブサマリー(参考資料③-1)〜INTLOOP Ventures Innovation Community (IVIC)

「IVIC」の状況です。「Slackコミュニティ」と「MEETUPイベント」、つまりオンラインとオフライン両方を組み合わせて、ビジネスマッチングの機会を少しずつ作っていこうという目標で行っています。我々の仲間となるスタートアップの企業が少しずつ集まっている状態です。
エグゼクティブサマリー(参考資料③-2)~INTLOOP Ventures Innovation Community (IVIC)

今後の「IVIC」のアクセラレータープログラムです。公募の650社ほどから40社を書類選考し、その後ピッチ選考を実施しました。現時点で7社がPoC判断に進んでいます。
最終的に何社がアクセラレーションの対象になるかはわかりませんが、対象になった会社に関しては、我々と一緒にソリューション構築や営業活動をして、我々のソリューションの一部に取り込んでいくことを考えています。10月頃までにはこの発表ができるかと思います。
1 業績ハイライト①(連結・累計)

業績ハイライトです。売上高は前年同期比26.5パーセント増で247億8,700万円、営業利益は前年同期比56.8パーセント増で15億1,400万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比59.2パーセント増で8億5,200万円です。我々としては、順調に進捗していると考えています。
1 業績ハイライト①(連結・累計)

機関投資家向け説明会でもお約束したとおり、売上総利益率に関しては順調に改善しています。ようやく前年同期比3.1ポイント増という状況までもってこられたと思っています。
1 業績ハイライト②(連結・Q3)

スライドは、前四半期比の売上総利益率を記載しています。前四半期比では少ししか改善されていませんが、まだまだ伸びの余地はあるかと思っています。
このあたりは現場とお客さまとの関係性もあり一気に引き上げることはできないため、少しずつにはなりますが、さらに上昇していくのではないかと考えています。
1 業績ハイライト③(INTLOOP単体・Q3)

INTLOOP単体です。前四半期からの売上高の伸び率は4.7パーセント増でした。前年同期比では15.3パーセント増ですので、少し物足りなさを感じている方もいるかと思います。予定どおりとは言わないまでも、ある程度高収益案件に絞った結果として、このようになったところがあります。お客さまにも少しずつ単価改定が浸透してきていますので、第4四半期に関しては予想どおりに売上高を作っていきたいと考えています。
営業利益は前四半期に比べてかなり落ち込んでいますが、前年同期を見るとわかるように、4月入社の新卒が入ってきて、新卒はほとんどこの期間はアイドリングしているため、そこに対して少し営業利益を削っている部分があります。もちろんこれは一時的な費用ですので、第4四半期までは続かず、第3四半期である程度打ち込んだ結果です。それでも80パーセント近い進捗率となっています。
2 通期業績予想(連結・売上高)に関する進捗

売上高の進捗です。売上高の進捗率は71.7パーセントで、少し物足りない状況になっています。
3 通期業績予想(連結・営業利益)に関する進捗

営業利益の進捗率は約77パーセントです。こちらはもともと営業利益を積み上げることを目的としていたため、ある程度達成したかと思っています。
スライドに「中途採用など先行投資」とありますが、これ以外にも「IVIC」や基幹システムへの投資、オフィスの移転も含めたすべてのコストを吸収した上での80パーセント近い進捗率なので、特に問題ないかと考えています。
4 INTLOOP単体の社員数推移

社員数です。4月の入社があって、デリバリー社員も順調に増加しています。全体として722人、グループで1,300人を超えている状態まできています。
5 フリーランス登録者数、稼働人数(INTLOOP単体)

稼働人数です。高収益案件にある程度絞って進めたため微増にとどまっていますが、第4四半期に関してはもう少し増やしていこうと、営業活動をがんばっている最中です。
【参考】2025年7月期 通期業績予想(再掲)

通期業績予想です。売上高にご心配があるとは思いますが、予想は変えず345億5,000万円、売上総利益が87億4,200万円です。
「営業利益は上方修正しないのか?」というお話もあるかと思いますが、ハイレイヤー人材の採用等も含め、計画していたコストは使っていきます。我々は四半期だけで生きているわけではありません。先を見据え、ある程度コントロールしながら利益を活用していく考えです。
【参考】中長期経営計画 INTLOOP “VISION2030” ~財務指標~

中長期経営計画(参考)です。来期は売上高438億円、営業利益31億円、CAGR25パーセントを目標に、営業活動を進めていく想定です。2030年7月期に売上高1,000億円、営業利益150億円の目標も変えずに戦略を進めています。
以上で、決算説明資料のご説明を終わります。
質疑応答:来期計画達成に向けたプランについて
司会者:「来期計画達成に向けたプランについて、可能な範囲でご解説いただけますか?」というご質問です。
林:先ほどご説明したとおり、コンサルティング事業における営業のあり方として、INTLOOP Strategyのハイレイヤー人材を中心に上流から進めていったほうが、下流の仕事につながっていきます。現在、ほぼすべてのセクターでマネージングディレクタークラスの採用が完了しています。
加えてDXコンサルに関しても、その産業に強いメンバーが一定数いるため、そちらも含めてお客さまへ提案を進めているところです。これまで当社は、コンサルティング会社というより人材会社としてのポジショニングが強かった面もありましたが、INTLOOP Strategyのメンバーが加わったことで、お客さまのスタンスも少しずつ変わってきている状況です。
その結果として、大手コンサルティング会社のような大型案件はないものの、チーム提案体制の案件を少しずつ獲得し始めています。来期以降はSIの案件も一部ありますので、提案体制、プロジェクト体制の構築に向けて、人材採用を含め動いているところです。
そちらも含めて計算すると、来期の計画もかなりアグレッシブではありますが、達成可能ではないかと考えています。
質疑応答:フリーランスの稼働率向上に向けた施策について
司会者:「フリーランスの稼働率向上に向けた施策について、ご教示ください」というご質問です。
林:フリーランスの稼働率の向上は、まさに案件数に依存しているところがあります。我々が高収益の案件を継続的に獲得していくにしたがって、実際にフリーランスの方々の幅も広がってきているのが現状です。
稼働数はそれほど増えていませんが、これまで活用できていなかった戦略コンサルタントなども含め、幅広いフリーランスの方々の登録や稼働が増えており、裾野は確実に広がってきていると感じています。
今後も高収益の案件を着実に獲得し、フリーランスの方々にご満足いただけるかたちに持っていくことが戦略となります。そこを地道に積み重ねていくことだと考えています。
質疑応答:「IVIC」およびJV案件の進捗について
司会者:「『IVIC』やJV案件の進捗はいかがでしょうか?」というご質問です。
林:「IVIC」については、コミュニティの形成とアクセラレータープログラムの第1弾が完了しています。「IVIC」のコミュニティ形成に関しては、引き続き我々の仲間になっていただけそうな会社を探しながら、継続的にイベントを開催し、着実に輪を広げていくことを目指しています。
アクセラレータープログラムについては、非常に良い会社が見つかりそうです。今後、我々としてPoCを通じてどこまでビジネスケースを構築できるか、営業活動にどのように貢献できるかという観点で検討を進めています。10月頃には、実際にどの会社を選定し、どの会社と進めていくかをご案内できる見込みです。
残りのJV案件としては、すでに進めている三井倉庫サプライチェーンソリューション株式会社との倉庫バース(バース予約管理システム)、Idein(イデイン)株式会社とのエッジAIカメラ、食品ファンドである食共創(しょくきょうそう)パートナーズ株式会社のファンドがあります。
これら3案件に関しては、「ここまで収益化しました」と明確にお伝えできないのが非常に心苦しいのですが、案件の開拓は着実に進んでいます。第4四半期で発表できるものもあるかもしれませんが、来期にずれ込む可能性もあります。
来期の目標も非常にチャレンジングなため、これらの案件からある程度の収益を取り込めればと考えています。
質疑応答:来期の投資案件について

司会者:「今期は採用費、オフィス移転費用などのコストがかかっています。来期について、投資案件はありますか?」というご質問です。
林:来期に関しては、「筋肉質な会社に変えていく」ということで、情報システムへの投資を進めていきます。現在は「Salesforce」の導入が完了し、「SAP」の導入が始まっています。
その他、社員の業務効率化という観点から、今後はAIも積極的に導入していきます。「一部外販する」とお話ししているとおり、順調に進んでいる状況です。
これらに関するコストは一定程度かかる見込みですが、すでに予算として計上しています。そちらを除いても、来期の営業利益目標31億円は達成可能であると考えています。
質疑応答:コンサルティング事業の今後について
司会者:「McKinsey & Company, Inc.が過去1年半で10パーセント以上が人員削減したと報じられるなど、グローバルでのコンサルティング事業の成長性にやや陰りが見えているように思います。AIエージェントの台頭も含め、御社ではこの流れをどのように捉えていらっしゃいますか?」というご質問です。
林:一部の業務がAIに変わっていく可能性は十分にあると考えています。このような業務代替に関しては、AIを活用して収益化を図っていきます。
DXコンサルについては、McKinsey & Company, Inc.が戦略の上流を担っているのに対し、我々のINTLOOP Strategyは、最終的に開発につなげていくような、DXに近い戦略コンサルティングを行っているため、ニーズはそこまで衰えていないと感じています。
一方、AIの導入や基幹システムの刷新といった流れも続いています。大手企業は別かもしれませんが、他のSIerなどの決算状況を見てもおわかりのとおり、当社においてはまだそこまで影響が出ていないというのが実感としてあります。
林氏からのご挨拶
今回の決算について、一部の機関投資家さまから「売上高の伸びが芳しくない」というご指摘をいただいています。我々は毎年、かなりチャレンジングな目標を掲げています。過去の推移を見ると、一部目標に届かず下方修正したこともありましたが、トレンドとしては、売上高も営業利益も一定の実績が出せていると考えています。
これまでは、「トラックレコードが足りない」といったご意見もいただいていましたが、上場から間もなく3年を迎える中で、そろそろトラックレコードを示せてきているのではないかと考えています。そのトレンドは大きく変わってきていないと思いますので、この流れを信じ、引き続き、我々の銘柄をウォッチいただければ幸いです。ありがとうございました。
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