予想株価
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11時42分配信 毎日新聞
米政府がシェールガスの対日輸出を許可したことで、原発停止による火力発電用の燃料費膨張が足かせになっている日本にとっては景気回復の追い風になりそうだ。
国内からは今回の輸出許可に対し「エネルギー調達の多様化に向けた大きな一歩だ」(ガス会社)と歓迎する声が上がった。
日本の発電に占める火力発電の比率は2012年度に9割近くまで上昇。燃料の液化天然ガス(LNG)、原油などの輸入急増で同年度の貿易赤字は約8兆円に拡大した。最近の円安でこの傾向に拍車がかかっており、電気・ガス料金の上昇が家計を圧迫し、せっかく上向いた景気の足を引っ張りかねない状況だ。
米国産シェールガスについては、今回の中部電力、大阪ガス向け事業のほか、住友商事と東京ガスがメリーランド州で、三菱商事と三井物産がルイジアナ州で、それぞれLNG基地の建設と対日輸出計画を進めている。日本の電力会社は電気料金の値上げに対し、経済産業省からより安価なLNGの確保を求められており、シェールガスへの期待は極めて大きい。
米国からの輸入量は現時点の計画がすべて実現しても、年間輸入量の1~2割程度だ。審査中の事業について、米政府は国内の価格動向もにらみながら慎重に検討を続ける姿勢だ。日本の電力・ガス業界は、米国産ガスの調達をバネに、中東やロシアなど他のLNG輸入先との価格交渉力をより強める必要がある。【清水憲司】