今週の新興市場は下落。同時期の騰落率は、日経平均が-1.95%だったのに対して、グロース市場指数は-2.67%、グロース市場250指数は-3.09%と新興市場が相対的に弱かった。日米の中央銀行会合に関心が向かうなか、日産自<7201>とホンダ<7267>による経営統合検討開始に関する報道で、プライム市場の自動車株や自動車部品サプライヤーに思惑が向かい、新興市場は物色の蚊帳の外に。日米中銀会合の結果発表後も、プライム市場の大型株中心の物色が続いたことなどから、新興市場はさえない動きとなった。
時価総額上位銘柄では、GENDA<9166>、弁護士ドットコム<6027>、タイミー<215A>が売られた一方、ispace<9348>は週末に10%超上昇するなどしっかり。そのほかでは、オンコリスバイオファーマ<4588>、ペルセウスプロテオミクス<4882>が下落した一方、デ・ウエスタン・セラピテクス研究所<4576>が急騰するなど、値動きの軽いバイオ関連銘柄の一角に短期資金が向かった。なお、17日にグロース市場に上場したリスキル<291A>、同日スタンダード市場に上場した黒田グループ<287A>、19日にグロース市場に上場したSynspective<290A>の初値は公開価格を上回ったが、18日にプライム市場に上場したキオクシアホールディングス<285A>、19日にグロース市場に上場したdely<299A>の初値は公開価格を下回った。
■値動きの軽い銘柄が売買の中心か
来週は、日米中銀会合という今年最後の重要イベントを通過し、大納会まで残り6営業日となったことなどから、市場の主役は海外の機関投資家から個人投資家にかわると見る。売買代金は1300億円前後できているが、グロース市場250指数は、25日移動平均線(25MA)、75日移動平均線(75MA)ともに下回っておりトレンドは弱い。GENDA、カバー<5253>など時価総額が大きい銘柄に物色が向かうのではなく、値動きの軽い銘柄が売買の中心となろう。今週同様、バイオ関連銘柄や、dely、Synspectiveなど直近IPO銘柄、もしくは日本電解<5759>、オンコセラピー・サイエンス<4564>など100円未満の超低位銘柄などに短期資金が向かいやすいと考える。
なお、23日にはグロース市場に経理DX化を手掛ける令和アカウンティング・ホールディングス<296A>、名証ネクスト市場にシステム開発を手掛ける日本オーエー研究所<5241>、25日にはスタンダード市場にMIC<300A>、小売・運輸事業を手掛けるアルピコホールディングス<297A>、26日にはグロース市場にリーガルテックサービスを手掛けるGVA TRCH<298A>、ビジュアルマーケティングプラットフォームを手掛けるvisumo<303A>、派遣関連を手掛けるビースタイルホールディングス<302A>がそれぞれ上場する。合計8社上場することから、個人投資家の物色は活発化しそうだ。
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