ニッコンHD、既存業務回復やM&A効果、原価低減継続により前年比増収増益 海外事業への積極的な投資も検討
2025年3月期第2四半期決算説明
黒岩正勝氏:みなさんこんにちは。本日はお忙しい中、当社の2025年3月期第2四半期決算・ESG説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。ニッコンホールディングス株式会社代表取締役の黒岩正勝です。どうぞよろしくお願いします。
1.業績概要① 損益計算書(連結)
当中間連結会計期間の経済状況は、景気がゆるやかに回復する一方で、中国における景気の低迷、ウクライナ情勢や緊迫化する中東情勢による原油価格の不安定化など先行き不透明な状況が続いています。物流業界においても、労働力不足による人件費や燃料費のコスト増加など厳しい状況が続いています。
こうした中で、業務量の回復や既存業務の拡大やアメリカの完成車輸送サービス会社などの連結子会社化により、当中間連結会計期間の売上高は前年同期比11.1パーセント増の1,203億6,100万円、営業利益は前年同期比10.4パーセント増の113億9,300万円で、増収増益となりました。
一方で経常利益は主に為替差損の発生により前年同期比8.3パーセント減の107億9,700万円、中間純利益は前年同期比18.1パーセント減の65億3,600万円となりました。
1.業績概要② 貸借対照表(連結)
バランスシートの状況です。
資産の部において、無形固定資産が前期比152億6,100万円増加していますが、これは主にアメリカの完成車輸送サービス会社のМ&Aによりのれん代が増加したことが要因です。
また投資等で50億6,300万円減少していますが、これは主に投資有価証券の保有株式の評価額減少が要因です。
負債の部では、流動負債の短期借入金・社債が56億8,100万円増加していますが、これは主に社債100億円の償還があった一方で、М&Aに伴う150億円の短期借入金が発生したことが要因です。
また、固定負債の長期借入金・社債の増加は、社債100億円の発行によるものです。
1.業績概要③ 事業別売上高/営業利益(連結)
事業セグメント別の収支です。
運送事業は、自動車の荷量回復や、М&Aによる連結子会社化による影響もあり、売上高は前年同期比16.2パーセント増、営業利益は6.8パーセント増と順調に推移しています。
倉庫事業は、倉庫増設効果もあり、売上高は前年同期比4.9パーセント増に対し、減価償却の増加などにより営業利益は前年同期比5.1パーセント減となりました。
梱包事業は、自動車関係の業務量の回復やアメリカでの自動車部品業務の拡大などで売上高は7.8パーセント増、増収効果もあり営業利益は前年同期比50.8パーセント増となりました。
テスト事業は、順調に業務量が増加し売上高は前年同期比8.0パーセント増、増収効果もあり営業利益は21.5パーセント増となりました。
1.業績概要④ 業種別売上高 / エリア別売上高(連結)
産業セグメント別業績概要です。
自動車産業の業務量回復やМ&A効果もあり、自動車は前年同期比10.3パーセント増、自動車部品は前年同期比19.4%増となりました。また、産業機械も順調に推移し、前年同期比9.4パーセント増で、セグメント全体では11.1パーセント増となりました。
次に、地域セグメントです。北米では自動車部品業務の拡大やМ&A効果もあり、売上高は前年同期比64.3パーセント増であるものの、のれんの償却費や取得費用が発生し、営業利益は一時的に減益となりました。
アジアでは、インドやインドネシアが順調に推移し、売上高は前年同期比4.2パーセント増となりました。中国経済の影響を受け、営業利益は前年同期比11.1パーセント減となりました。
その結果、当社グループにおける海外の売上比率は、前期末の15パーセントから17パーセントとなりました。引き続き、売上全体の30パーセントを目指して海外事業を拡大していく予定です。
1.業績概要⑤ 設備投資額の推移
設備投資は、年間230億円を目途に投資を行うことを公表しております。当中間連結会計期間では、125億円の投資を行いました。
設備投資の内容は、営業車両・乗用車・フォークリフト等の増車・代替で17億8,500万円、事業用地および倉庫で27億円です。その他は、建設仮勘定で79億円となっています。なおМ&A投資の金額は、この計画には含んでいません。
1.業績概要⑥ 設備投資の状況
当中間連結会計期間では、群馬県太田市・宮城県仙台市・インドネシアの3拠点に倉庫や整備場を建設しました。
また現在建設中の倉庫ですが、栃木県宇都宮市、愛知県東海市、三重県鈴鹿市のほか、海外ではタイ、インドネシアなど、2025年から2026年竣工に向けて準備を進めています。
1.業績概要⑦ 自動化・省人化
自動化、省人化について、一部を動画でご説明します。
国内では、自動搬送ロボットの「バトラー」や移動式ラックシステムの導入を実施しています。海外では、中国で無人搬送車を導入しコスト面や運用面を検証しながら、国内への導入も検討しています。
2.中期経営計画の取り組み① 計画の振り返り
中期経営計画の振り返りです。
1年目の結果は、売上計画2,300億円、営業利益計画220億円に対し、実績は売上2,223億円、営業利益は212億円で、ともに若干の未達という結果となりました。
これは、一部の自動車メーカーで生産が滞った影響や、М&Aの実施開始が後ろ倒しとなったことが要因です。2年目となる今期は、売上2,500億円、営業利益240億円を計画しています。
2.中期経営計画の取り組み② 2年目の進捗状況(計画比)
当中間連結会計期間における進捗状況です。
売上高は、既存業務拡大等の自助努力に加え自動車を中心とした物量の回復やМ&Aにより買収した企業の売上・利益が取り込まれ、計画1,200億円に対し、実績1,203億円となり計画比100.2パーセントでした。
営業利益は、計画109億円に対し実績113億円となり計画比103.6パーセントとなりました。
売上・営業利益ともに、順調に推移しています。
2.中期経営計画の取り組み③ 循環事業
成長ドライバーについてご説明します。
循環事業のリチウムイオンバッテリーの回収業務は、2023年度の45都道府県から、2024年度で大分と沖縄を追加し、47都道府県をカバーできる体制となりました。取扱数については、前期の3,900個から今期は5,700個への増加を計画しています。
これから大きく拡大していくことが予測されるため、回収ルートの見直しや取扱数増加に向け効率化を継続しながら、新たな展開を進めています。
また、グループ内でのリサイクル事業の取り組みとして、茨城県の古河環境サービスを中心とした群馬エリアのワーキンググループを立ち上げ、リサイクル事業の取り組みを開始しています。
その他、環境への取り組みとして、フルトレーラーを使用した同業他社との貨物組み合わせによる輸送効率化も実施します。現在関東から関西間で大型車両でのテスト配送を実施しており、フルトレーラーの通行許可の申請手続きや、関係する設備の改修準備が整い次第、本格的な稼働に向けたテストを予定しています。
2.中期経営計画の取り組み④ 三温度帯事業
三温度帯事業についてご説明します。
温度管理が必要な化学製品・危険品の保管を日本運輸株式会社で開始をしています。定温倉庫のノウハウを活かし、他拠点への拡大を図っています。
中越テック株式会社では、関西地区で保冷車を使用した乳製品の配送やドライアイスの配送を開始しました。日本梱包運輸倉庫株式会社では、九州地区で定温倉庫を使用した精密機械や産業用ロボット部品の保管業務を一部開始しており、下期中にはさらなる拡大を予定しています。
東北地区でも、2024年下期より、新拠点において定温倉庫を使用した半導体関係の保管業務を開始する計画となっており、全国的に拡大をしています。
2.中期経営計画の取り組み⑤ 海外事業
海外事業についてご説明します。
アメリカの自動車陸送企業であるSupreme Auto Transport(シュプリーム・オート・トランスポート)を2024年4月から連結子会社化し、運送事業の売上拡大に寄与しています。この上期売上実績は、3ヶ月分で34億円となりました。
また、新拠点として、2024年9月にインドネシアに自社3拠点目となるデルタマス営業所を開設しました。
今後も成長が見込まれる地域については、積極的に投資をします。
3.株主還元① 資本コストを意識した企業価値向上を目指した資本戦略
株主還元についてご説明します。
当社は2024年5月に「資本コストを意識した企業価値向上を目指した資本戦略」を公表しています。この中では、資本コスト(7から8パーセント)を超えるROEを目指すことや、継続的な株式の取得の実施、PBR1倍以上の実現等を明記しています。
PBRについては、現在1倍前後で推移をしており、株価も2024年10月に分割し、直近では過去最高値を更新するなど順調に推移しています。
3.株主還元② 資本コストを意識した企業価値向上を目指した資本戦略
配当性向40パーセントや累進配当を中心としている当社の資本政策ですが、当中間連結期間の実施内容についてご説明します。
2024年6月に30億円の自己株買いの発表と株式の分割を発表しています。また、これに合わせて自己株式の売り出しも実施しました。
株式分割については、目的として株式の流動性を高め、また購入単価を下げることにより新しい株主が購入しやすい状況にすることを目的としています。効力発生日は2024年10月1日とし、普通株式1株につき2株の割合で分割を実施しました。
3.株主還元③ 資本コストを意識した企業価値向上を目指した資本戦略
配当金と配当性向の推移についてご説明します。
2023年3月期から配当性向を30パーセントから40パーセントに引き上げています。
今期は、中間配当54円で決定し、期末配当は54円の年間108円を予想しています。
2024年10月1日の株式分割で期末配当は2分の1となるため、1株あたり27円となる予定ですが、株式分割前の配当予測と変更はありません。今後も株主さまに還元できるよう検討します。
3.ESGへの取り組み①
ESGの取り組みについてご説明します。
CO2の排出量については、環境配慮車の導入や太陽光パネルの設置による自家発電、非化石由来の再生可能エネルギーの外部調達など順次取り組んでいますが、業務拡大に伴う増車の影響もあり、排出量は足許で横ばい傾向にあります。
2030年に向けて大型トラックのEV車などの普及が見込まれることから、取り組みが一段と進むものと期待していますが、導入に向けてインフラの整備や車両コストの価格転嫁など課題が山積しているため、体制を強化して取り組みます。
女性活躍については、国内において管理職に占める女性の割合を、現状の2.0パーセントから引き上げていくことが将来的な課題です。ベースとなる女性従業員全体の割合を大きくすることに注力しており、まずは女性従業員比率30パーセント以上を目指しています。
また、採用した女性の定着率をいかに高め、育てていくかも課題です。産休・育休制度や短時間勤務制度など家庭との両立を支援する制度、現場での労働環境を整備し、女性が活躍できる体制作りを継続して進めています。
水銀灯については、2026年3月末までに全廃することを目指しています。2027年に建物を取り壊す予定の33件を除いて、ゼロにすることを計画しており、取り組みを進めています。
1.ESGへの取り組み②
2024年10月に「統合報告書2024」を発行しました。
当社における将来の成長戦略をわかりやすく説明しているほか、気候変動への対応や、社外取締役座談会のページを追加するなど、昨年度よりページ数を3割近く拡充し、より充実したものとなっています。
また、当社は経団連の掲げる「2030年30パーセントへのチャレンジ」への賛同を表明しました。具体的には、2030年までに役員に占める女性比率を30パーセント以上にすることを目指す目標が掲げられており、当社からは経団連女性エグゼクティブ・ネットワークに2名の女性取締役が参画し活動を行っています。
物流業界の魅力と、将来性が感じられる企業として、安全に配慮した働きやすい環境整備や女性活躍のキャリアプランの策定など魅力ある職場作り、女性幹部育成に取り組みます。
最後に、再生可能エネルギーの導入推進についてです。当社グループは、2013年に自社倉庫に初めてソーラー発電を設置し、以降新しく竣工した倉庫を中心に順次拡大してきました。同時に近年では、外部から非化石エネルギーを調達することで電気由来のCO2排出量削減に取り組んでいます。
昨年度は約746万キロワットをこれらの再生エネルギーでまかないました。これは約3,200トンのCO2削減に相当します。今年度は、現時点で昨年度を上回る電力量を再生可能エネルギーに置き換えており、今後もさらなるCO2削減を見込み強力に進めます。
本日は、ご参加いただきありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。
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