明日の株式相場に向けて=高市政策テーマで舞い踊る投資マネー
週明け16日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比135円安の5万6806円と3日続落。前週末の欧米株市場は冴えなかったものの、東京市場では先物に引っ張られる形で上昇してスタートした。しかし、案の定買いは続かず寄り天状態となり、その後はプラスに転じる場面はあったものの、終始ポジション調整の売り圧力を振りほどくことができず結局マイナス圏に引き戻された。TOPIXの下落率の方が大きく、日経平均に換算すると470円程度の下げに相当する。日本時間今晩の米国株市場は休場ということもあり、手控えムードが強かったというのが一般的な解釈だが、ところがどうして中身をみるとストップ高銘柄が相次ぎ、いつにも増して激しく投資マネーが舞い踊る地合いであった。決算発表期間を通過したことから、高市政権下で打ち出される政策を念頭に置いたテーマ買いの動きが復活している。もっとも、復活と言うと語弊があるかもしれない。これまで決算発表期間中は、個別株の物色は決算プレーに特化する傾向が目立ったが、高市早苗首相に代わってから明らかに変化が生じているからだ。レアアースや人工ダイヤなど政策アナウンスに反応した売買が決算発表期間中も続いた。これは高市トレードのコンセプトが、いかなる環境下でも相場に底流していることを物語っている。
そのなか、きょうはイーディーピー<7794.T>、テクニスコ<2962.T>、中村超硬<6166.T>がいずれもストップ高カイ気配に張り付くなど、人工ダイヤ関連への投資資金の流入が加速したのが特徴的だった。同テーマはちょっとした政策アナウンスで振れやすく追撃はリスクも伴うが、米国株市場の地合いや為替動向など相場を取りまく環境に左右されにくいホットスポットであり、それが短期資金に好まれる理由かもしれない。同テーマでは旭ダイヤモンド工業<6140.T>が比較的おとなしく、目先は1月29日の昨年来高値1173円奪回という分かりやすい上値目標があるため注目しておきたい。更に、人工ダイヤに続いて水晶関連株にも物色の矛先が向いている。日本電波工業<6779.T>のストップ高が目を引くが、これに追随して大真空<6962.T>が動兆著しい。リバーエレテック<6666.T>も空売りが高水準に積み上がっており、割り切りを前提に追撃妙味がある。
また、高市首相が重点投資対象に掲げる17の戦略分野では「コンテンツ」に着目。日本のお家芸でもあるアニメを絡めて追い風がにわかに吹いてきた。何よりも売り攻勢の対象となっていたサンリオ<8136.T>が、業績増額を点火材料にマドを開け垂直リバウンドに転じていることが、上値の重かったコンテンツ関連全般の呪縛を解いたような感がある。サンリオは、きょうは高かったものの、朝方に高値を形成した後は漸次機械的な売りで上げ幅を縮小し、上ヒゲ陰線で安値引けに持っていかれるなど売り方の抵抗が垣間見られる。ただ、ここでの逡巡は、結果的に中期的な買い場を提供している可能性が高い。
アニメ・ゲーム関連では任天堂<7974.T>がサンリオに連動して底値買いの好機に見える。IP関連のビジネス価値が生成AIによって陳腐化するリスクが取り沙汰されたが、IPビジネスは、それまでに積み上げた実績と信頼が分厚い土台となっているからこそ成り立つ。生成AIの進化スピードがいかに速くても、そう簡単に蹂躙できるような領域ではない。他方、小型株では低位のまんだらけ<2652.T>に投資マネーが打診買いを入れ始めた。このほか好業績かつバリュエーション面で水準訂正余地が大きいフリュー<6238.T>が注目される。同社はプリントシール機の商品シェアで9割という抜群の競争力を誇るが、アニメに注力姿勢を明示するほか、サンリオとの連携も見逃せないポイントだ。これ以外では、仕手性の強いLink-Uグループ<4446.T>なども再噴火の気配が漂う。
一方、アドバンテスト<6857.T>や東京エレクトロン<8035.T>など主力株の上値は重いが、AI・半導体関連は“高市トレード17分野”の筆頭格でもあり、出世株の宝庫であることに変わりはない。ファンダメンタルズに光を当て、中期投資に耐え得る銘柄では今月初旬にも取り上げた室町ケミカル<4885.T>が大勢3段上げの助走に入った感触。同社は半導体用イオン交換樹脂を手掛けるニッチトップ銘柄だ。1月下旬に取り上げた半導体保護資材の世界首位であるアテクト<4241.T>もきょうはストップ高に買われたが、この流れはまだ初動かもしれない。
あすのスケジュールでは、前場取引時間中に5年物国債の入札が行われるほか、後場取引時間中に12月の第3次産業活動指数が開示される。この日は香港、中国、台湾、韓国、シンガポール、ベトナムなどアジア各国の市場が休場となる。海外では10~12月の英失業率、2月の欧州経済研究センター(ZEW)の景気予測指数、2月のNY連銀製造業景況指数、2月の全米建設業協会(NAHB)住宅市場指数など。また、バーFRB理事の講演が予定されており、その発言内容に耳目が集まる。なお、この日から3月19日ごろまでラマダン(断食月)に入る。(銀)
出所:MINKABU PRESS
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