1. 2023年5月期の業績概要
インテリックス<8940>の2023年5月期の連結業績は売上高で前期比14.1%増の41,236百万円、営業利益で同47.9%減の710百万円、経常利益で同77.4%減の239百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同84.3%減の100百万円と増収減益決算となった。売上高はリノベーション事業分野が同16.8%増、ソリューション事業分野が同5.0%増といずれも増収となったものの、売上総利益ではリノベーション事業分野が同4.0%減の4,128百万円、ソリューション事業分野が同9.8%増の1,984百万円となり、全体の売上総利益は同0.1%増の6,112百万円と前期並みの水準にとどまった。また、「エコキューブ」のプロモーション費用(テレビCM、屋外広告費用等)320百万円や、「FLIE」等の新規事業の先行投資費用の計上により、販管費が同13.9%増の5,402百万円となり、営業利益の減益要因となった。営業外収支については前期比で168百万円悪化したが、主には有利子負債の増加に伴う支払利息の増加(109百万円増)と、サステナブル・リンクローンの組成に伴う支払手数料の増加(57百万円増)によるものとなっている。
会社計画比では、売上高、各利益ともに未達となった。売上高はリノヴェックスマンションの平均販売価格が計画を6.6%上回ったものの、販売件数が7.6%下回ったことが響いた。一方、利益面では販管費を計画から抑制したものの、リノベーション事業分野の売上総利益率が前期の15.5%から12.7%に低下したことが下振れ要因となった。売上総利益率の低下については、中古マンション相場の上昇により仕入価格が高騰したことに加えて、築古物件や「エコキューブ」の増加によって施工期間が長期化し、建設資材コストも上昇したことで1件当たりの工事費用が増加し、これら費用増を販売価格に十分に転嫁しきれなかったことが要因だ。さらに、第4四半期に入って増加傾向となっていた長期滞留物件の処分を進めたことも一因となった。四半期ベースの売上総利益率推移を見ると、リノベーション事業分野は第3四半期の12.5%から第4四半期に11.1%まで低下したが、在庫処分を進めた影響が大きい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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