● 2023年12月期の業績見通し
エリアリンク<8914>の2023年12月期の業績については、売上高21,800百万円(前期比4.4%増)、営業利益4,050百万円(同8.2%増)、経常利益3,930百万円(同4.6%増)、当期純利益2,600百万円(同9.8%減)と、着実な業績拡大を計画している。主力のストレージ事業は引き続き増収増益を計画し、基幹事業のストレージ運用は全国への出店を加速させることで急成長を計画している。土地権利整備事業は、事業規模の最適化による着実な成長を見込み、増収増益となる見通し。なお、営業利益の伸びに比べて経常利益の伸びが低いのは、営業外利益の減少を見込んでいるためだ。当期純利益については、前期に計上した投資有価証券清算益や法人税等還付税額などの特殊要因がなくなることで減益となる見通しだ。同社は、期初計画は慎重な計画を発表する傾向が強いため、経営環境が悪化することがなければ、目標を達成する可能性が高いと弊社では見ている。
セグメント別の業績見通しは以下のとおりである。
(1) ストレージ事業
売上高は17,200百万円(前期比5.1%増)、セグメント利益は4,440百万円(同8.7%増)、セグメント利益率は25.8%(前期は25.0%)を見込んでいる。引き続き、ストレージ運用を中心に安定的な収益を得るストックビジネスの拡大・成長を目指す。収益基盤をより強固にすることで、不動産・金融市況に影響されない経営体質を確立していく方針である。ストックビジネスへの構造改革が完了したことで、ストレージの新規出店数を前期の2,915室から4,700室に急増する計画だ。
同事業のうち、ストレージ運用はストック型の安定した収益基盤を支える基幹事業であることから、「ハローストレージ」を通じて、ブランド力・認知度の向上、顧客満足度の向上、ストレージに付随するサービスの開発などを推進し、さらなる成長・拡大を目指す方針だ。なお、同事業は一部の物件を除き原則自社保有で出店する予定であることから、ストレージ運用の収益率はさらに改善する見込みである。一方、ストレージ流動化として販売する場合は、販売時の利益率を抑えることでストレージ流動化による一過性の利益は計上されないものの、販売先から運用を引き受けることでストレージ運用の収益率を維持する方針のため、ストレージ事業全体の収益増加につながる見通しである。
(2) 土地権利整備事業
売上高は3,250百万円(前期比4.5%増)、セグメント利益は520百万円(同12.0%増)、セグメント利益率は16.0%(前期は14.9%)を見込んでいる。2021年12月期に適正な事業規模への見直しと在庫の質の改善を進めた効果が表れ、セグメント利益率は改善する見込みであることから、増収増益を計画している。
(3) その他運用サービス事業
売上高は1,350百万円(前期比3.6%減)、セグメント利益は305百万円(同18.4%減)、セグメント利益率は22.6%(前期は26.7%)を見込んでいる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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