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2021/07/19 - コスモスイニ(8844) の関連ニュース。■コスモスイニシア<8844>の業績動向3. 事業別の業績動向事業別にみると、コロナ禍が広がった2021年3月期は、宿泊事業の売上高が大きく落ち込んだことが非常に痛かった。しかし、レジデンシャル事業は減益だったものの、ソリューション事業が増収増益、工事事業が増収増益となり、中長期経営方針に沿った積極戦略を着実に進めたことで、全体として収益を確保することができた。2022年3月期は、宿泊事業は期を通じてコロナ禍の影響が残るため引き続き損失を予想、それ以外の事業はそれぞれ入り繰りがあって業績に凸凹感があるが、基礎的な利益はしっかり確保できる見込みで

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コスモスイニシア Research Memo(6):事業別業績の増減に差はあるが基礎的な利益はしっかり確保へ(1)

配信元:フィスコ
投稿:2021/07/19 15:16
コスモスイニシア<8844>の業績動向

3. 事業別の業績動向
事業別にみると、コロナ禍が広がった2021年3月期は、宿泊事業の売上高が大きく落ち込んだことが非常に痛かった。しかし、レジデンシャル事業は減益だったものの、ソリューション事業が増収増益、工事事業が増収増益となり、中長期経営方針に沿った積極戦略を着実に進めたことで、全体として収益を確保することができた。2022年3月期は、宿泊事業は期を通じてコロナ禍の影響が残るため引き続き損失を予想、それ以外の事業はそれぞれ入り繰りがあって業績に凸凹感があるが、基礎的な利益はしっかり確保できる見込みである。以下、事業別業績及び業績見通しの詳細を示す。

(1) レジデンシャル事業
2021年3月期の業績は売上高40,700百万円(前期比8.9%増)、営業利益1,321百万円(同14.5%減)と増収減益となった。売上面では、緊急事態宣言の2020年4月~5月に営業活動を自粛したことにより仕入が遅延、リノベーションマンションの引渡数減少につながった。しかし、住宅購入に対する需要は堅調に推移しており、新築マンションと一戸建は引渡数が増加した。一方、新築マンションなどで一部採算の低い案件があったことなどから、売上総利益率は低下した。2022年3月期の業績見通しについて、同社は売上高44,700百万円(同9.8%増)、営業利益2,500百万円(同89.3%増)と増収大幅増益を見込んでいる。住宅購入に対する需要は堅調に推移するという前提をもとに、新築マンションと前期減少したリノベーションマンションの引渡数が増加する一方、前期に引渡数が高水準だった新築一戸建は減少を見込む。売上総利益率は全般的に改善する見込みとなっている。

最近の需要の特徴は、自然との共生といった切り口の住居や、(都心駅近の人気は引き続き強いが)三密回避を背景に郊外立地などに一定のニーズが生じているようである。同社の新築マンション「イニシア和光」では、「いきもの共生事業所認証(ABINC認証)」を取得、敷地内の緑豊かな共用ガーデンに居住棟と渡り廊下でつながるクラブハウスを配置するなど「地域生態系との調和と再生」に取り組んでいる。「イニシア&リノベーション」シリーズを展開するリノベーションマンションでは、新築マンション事業のノウハウを活かし、半個室など働き方やライフスタイルの変化に対応した空間設計も取り入れている。

ほかにも、新築タウンハウス「イニシアテラス代々木上原」と「イニシアテラス小竹向原」は、一戸建の独立性と集合住宅のセキュリティを兼ね備えたメゾネットタイプの低層レジデンスで、利便性の高い交通アクセスと一戸建の建ち並ぶ閑静な住環境という立地が人気となっている。アクティブシニア向け新築マンションでは「イニシアグラン札幌苗穂」と「イニシアグラン札幌イースト」を販売、セカンドステージの過ごし方や新しいライフスタイルを「リライフ・プロジェクト」として提案している。アクティブシニア向け新築マンションは引き続きニーズが強く、北海道や福井県、福岡県など複数の市街地再開発事業でプロジェクトが進行中である。

(2) ソリューション事業
2021年3月期の業績は、売上高52,350百万円(前期比10.3%増)、営業利益5,174百万円(同5.9%増)と増収増益となった。需要が堅調な投資用不動産等において一棟物件の引渡が増加、不動産賃貸管理等の売上高が順調に増加した。不動産サブリースでは、空室率が営業活動自粛期間の影響などにより上昇し、自粛期間明けに回復傾向となったが新規募集物件の増加により再上昇するなど、やや不安定な動きとなった。利益面では、世界的な金融緩和も背景に海外などからの投資用不動産の引き合いが強く、売上総利益率は改善傾向となった。2022年3月期の業績見通しについて、同社は売上高44,100百万円(同15.8%減)、営業利益3,900百万円(同24.6%減)と減収減益を見込んでいる。稼働状況などに著しい悪化は生じず、投資用不動産への需要も堅調に推移するとの前提だが、前期に高水準だった投資用不動産等の一棟物件の引渡数で減少を見込んでいることが要因である。商業・オフィスビルの稼働率が悪化するリスクには注視が必要だが、顧客の動向次第で投資用不動産の業績が上に振れる可能性が残る。

レジデンシャル事業と同様、テレワークなど働き方改革を背景としたニーズがソリューション事業でも強まっている。働く人の視点で考えた空間デザインの一棟再生賃貸ビル「リードシー恵比寿ビル」は、入居までの期間と入退居コストを圧縮する内装・家具付きオールセットオフィスである。ワークスペースを屋外に拡張することで三密を回避、働き方の柔軟性や生産性向上もサポートしている。職住近接を実現するレンタルオフィス第5号プロジェクト「MID POINT川崎」を開設した。コロナ禍以前から開発を進めているレンタルオフィスプロジェクトだが、急拡大するリモートワークやサテライトオフィスに対する需要に対応、個室ワークスペースのほか入居者同士のコミュニケーションを促すラウンジなども用意した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)


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配信元: フィスコ

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