スパークス・グループ、「日本モノづくり未来ファンド」によるIJTT社のTOBが完了 自社株買い・増配により株主還元を強化
2024年3月期第3四半期決算説明
阿部修平氏:みなさま、こんにちは。スパークス・グループ代表取締役社長の阿部修平です。
2023年度第3四半期は、国内外の投資家からの日本株に対する期待を大きく感じました。後ほど詳しくお伝えしますが、スパークスはこの四半期に、ファンドを通じて創業以来初めてのTOBを無事に終えることができました。
連結決算 総括(1)業績
業績についてです。営業収益は前年同期の99億8,000万円から、17.7パーセントの増益の117億5,200万円となりました。
これは主に、成功報酬が9億円増加したことによるものです。コストについては、公募投信の預り資産残高が増加したことで支払い手数料が増えました。また、ボーナスを含めた人件費や前年同期よりも営業活動が活発化したことにより、旅費交通費などが増え、経常的経費は前年同期の37億9,900万円から4.9パーセント増えて、当四半期は39億8,600万円となりました。
この結果、営業利益は前年同期の42億2,200万円から19.8パーセント増加し、50億6,000万円となりました。
経常利益は前年同期から11.9パーセント増加して51億9,800万円、純利益は投資有価証券売却益を13億円計上したことにより、前年同期から44.9パーセント増と大きく増えて45億2,500万円になりました。
また基礎収益は、経常的経費が増えたものの、残高報酬の増加により前年同期から1.4パーセントの増益となりました。成功報酬の増加により、営業収益は大きく増加しています。また、基礎収益も増加している状況です。
日本株式の投資戦略についてです。ウォーレン・バフェット氏による日本株の追加投資や政府の政策など、日本株に対する期待が高まったことで、日本株の投資魅力は世界的に大きくクローズアップされています。
政府の政策の一環として、今年初めに新NISAが導入されました。これにより、日本の個人投資家からの日本株への投資が増加しつつあります。長らく待ち望まれていた、個人の貯蓄から投資へのシフトが本格化しているのです。
これにより海外投資家の日本株に対する見方も大きく変わり、結果として日本の株式市場は活況を呈しています。スパークスでも海外投資家から追加で資金を受託する動きも具体化しつつあります。
スパークスは従来、海外の投資家から支持されてきた会社です。そのため、彼らが日本に注目し始めたことは大きなチャンスといえます。
海外投資家の要望に応え、資金を運用・投資することはスパークスの強みです。今年は海外投資家からの投資拡大を含めて、預かり資産を飛躍的に拡大させる1年にしたいと考えています。
加えて、「日本モノづくり未来ファンド」によるIJTT社のTOBが完了しました。IJTT社を非公開化するプロセスは、いすゞ自動車さまと綿密に連携・協議を重ねた上で行いました。
「日本モノづくり未来ファンド」は、日本で優れた技術・人材・サービスを持つモノづくり企業に投資し、TPS(トヨタ生産方式)を活用して各社を支援して適切な経営戦略を展開することで、社会に貢献することを目指したいという理念のもと、2020年に設立しました。
これはスパークスとして新たな投資領域の始まりであり、大きく成長させたい領域です。さらに、より一層スパークスのファンドビジネスをユニークかつ強いものにするために、これまでも成長領域であるエネルギー、医療、フィンテックなどの領域へ種を撒いてきました。
医療の領域、その中の病院への投資については、第1四半期に医療法人の持分を売却しました。また、量子コンピュータ活用の普及と利用拡大を目指して投資をしていたシグマアイ社については、株式の一部をSCREENホールディングスさまへ譲渡し、両社の売却により約13億円の特別利益を当期に計上しています。
その他、グリーン水素、蓄電池などの領域でも、新たなプロジェクトを立ち上げています。みなさまのご期待に応えるような投資を実現したいと思います。
株主還元 ー 剰余⾦の配当
株主還元については、財務状況、さらなる成長に向けた投資資金ニーズなどを踏まえ、継続的かつ安定的に行っていきます。第3四半期は増収増益となり、基礎収益は増加していることから配当は前期配当に6円加え、1株当たり66.0円とします。
また、前期に引き続き総額5億円、株式数33万株を上限とする自社株買いを実施し、12月末までに1億2,900万円を取得しました。総還元額としては32億2,000万円となり、前期の27億4,500万円を上回る額を株主還元します。
みなさまのご期待に応えるよう、預かり資産3兆円を目標に、確実に収益の成長を実現し、株主還元もみなさまの期待に応え、企業価値を大きく高めていくことを目指し、役職員全員が一丸となってがんばっていきます。
最後までご視聴いただきありがとうございました。
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