1. 2023年3月期の業績概要
三菱HCキャピタル<8593>の2023年3月期の連結業績は、売上高が前期比7.4%増の1兆8,962億円、売上総利益が同6.8%増の3,573億円、営業利益が同21.6%増の1,387億円、経常利益が同24.6%増の1,460億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同16.9%増の1,162億円だった。契約実行高は同5.3%増の2兆6,406億円で、期末セグメント資産残高(営業資産残高+持分法投資残高+のれん+投資有価証券等)は同3.1%増の9兆6,329億円となった。M&Aに伴う新規連結や海外拠点を中心とした営業活動強化などで経費が増加し、前期の特別利益に計上した政策保有株式の大口売却益(税引き前ベースで267億円)の剥落もマイナス要因だった。しかしながら、海外地域の伸長、ロジスティクスにおけるCAIの利益貢献、貸倒関連費用の減少、環境エネルギー・インフラにおける持分法投資利益の増加などにより、計画(2022年5月16日付公表値の親会社株主に帰属する当期純利益1,100億円)を上回る大幅な増益で着地した。純利益ベースのROAは同0.1ポイント上昇して1.1%、ROEは同0.2ポイント上昇して8.2%となった。
親会社株主に帰属する当期純利益(前期比168億円増)の要因別増減分析は、事業成長(CAIの利益貢献、米州子会社の事業伸長など)で同259億円増、貸倒関連費用減少(カスタマーソリューションで前期に計上した大口貸倒関連費用の反動減、航空や海外地域における費用減少など)で同215億円増、経費増加(CAI通期連結による増加、海外拠点を中心とした営業活動強化に伴う増加など)で同186億円減、特別損益(前期に計上した政策保有株式の大口売却益の剥落など)で同229億円減、その他(税金費用減少など)で同109億円増だった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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