東証プライムの騰落銘柄は値下がり銘柄が1300を超え、全体の7割超を占めた。セクターでは、電気ガス、鉄鋼の2業種を除く31業種が下落し、海運、保険、サービス、精密機器、電気機器、小売の下落が際立っていた。指数インパクトの大きいところでは、コナミHD<9766>、コムシスHD<1721>、トレンド<4704>、JT<2914>、クレセゾン<8253>が小高く推移した半面、東エレク<8035>、ファーストリテ<9983>、リクルートHD<6098>、信越化<4063>、ソフトバンクG<9984>が軟調だった。
前日の米国市場は、小売大手の決算が仕入コスト増により悪化したことが契機となり、高インフレやそれに伴う金融引き締め強化による個人消費の落ち込みなど景気への悪影響が意識された。また、中国でのロックダウンの長期化に伴う景況感の悪化も警戒され、米中両国のリセッション懸念が相場の重荷となった。ただし、前引けの東証株価指数(TOPIX)が2%を超える下げとなったため、日銀による上場投資信託(ETF)買い観測から株価指数先物への買い戻しの動きにつながり、売り一巡後は下げ渋る展開となった。個別では、米国の個人消費の落ち込みへの懸念から、コンテナ輸送需要が鈍ると警戒され、海運セクターが下落率トップ。
日経平均は前日に25日線水準、75日線水準をも突破し、投資マインドが改善したばかりだが、本日再び25日線水準を割り込んでしまった。日経平均が4月21日に終値で25日線突破した後、翌22日から5月12日にかけて急落しており、関係者からは「前回の下げと外部環境などは何も変わっていないだけに、今回も同様の動きになる可能性が高い」と見る向きもおり、しばらくは荒い値動きがつづきそうだ。
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