【井川純一の今夜も兜町で一杯】パンダ恋せや春を呼ぶ
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今日は、こんなおっさんでも結構忙しい一日だった。バタバタしていて、もうしっちゃかめっちゃか。相場の方もパッとしないし、なんだか気分はハードブレグジットならぬハートブレイク。まったくもって、気が滅入る。
鬱々たる気分のなか、相場を見ていると東宝<9602.T>が売られていた。悪地合いとはいえ、「そりゃあんまりだよなぁ」といった感じである。同社は16日の取引終了後、17年2月期第3四半期の業績を発表。映画「君の名は。」や「シン・ゴジラ」のヒットが寄与し、純利益は前年同期に比べ35%増の281億6100万円と過去最高だった。今2月期の年間配当は45円(前期は30円)とすると発表。特別配当20円を実施し、年25円の従来予想から大幅な増配となる。
それなのに、あ~それなのに売られちゃう悲しさ、これが株式市場なんだよねぇ。市場関係者の間では、「織り込み済み」との見方が大勢なのは重々承知。それどころか、ある証券会社のリポートでは「市場は来期収益に対して、今期好調の反動減を懸念し始めている」とのこと。そりゃそうなんだが、世の中って厳しいもんだよなぁ。
そうそう、東天紅<8181.T>と精養軒<9734.T>が急動意。両社とも株式市場では「上野のパンダ関連」として位置づけられる銘柄。16日に、上野動物園が「ジャイアントパンダの繁殖に向けた準備を開始する」と発表、仮に赤ちゃんパンダの誕生となれば来園者が増加、上野周辺でレストランを展開する両社も恩恵を受けるとの思惑から買いが入ったわけだ。ここ数年はなかなか妊娠までいかず、「万歳はなしよ」といった状況で、まさに上野動物園の悲願でもある。このパンダ関連が動くと、毎年「もうすぐ春だよなぁ」としみじみ思う。パンダ関連株の動意は、株式市場における、もはや季節の風物詩的存在なのだ。
今シーズン最大の最強寒波に凍える日が続く日本列島、そして寒風吹きすさぶ東京株式市場、それでも季節はちょっぴりずつ春に向かっている。
《KC》
出所:株経ONLINE(株式会社みんかぶ)
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