八洲電機<3153>は、電機制御システムの設計から納入、設置工事、アフターサービスまでを一貫して手掛けているエンジニアリング会社。また、産業用システムの販売なども行っている。取扱分野は、鉄鋼・石油・エネルギー・化学・医薬品・紙パルプのほか鉄道など幅広く、日立製作所<6501>及び日立グループの国内最大の特約店として発展を遂げてきた。依然として首都圏の再開発事業が継続しているほか、ポスト東京オリンピック・パラリンピック(五輪)、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)といったビジネスチャンスがあるなど、収益環境の見通しは明るい。新型コロナウイルス感染症拡大が落ち着き製造業の景気が上向いて設備投資が拡大すれば、更なる収益の伸びが見込めそうだ。また新型コロナウイルス対策製品として医療機関や介護施設など向けの簡易型陰圧ブースユニットなどにも期待がかかる。
現在、仕入先のうち、日立製作所及び日立グループ企業が50%強を占める。主な日立グループ企業としては、(株)日立産機システム、日立グローバルライフソリューションズ(株)(旧 日立アプライアンス(株))、(株)日立プラントメカニクスなどがある。日立グループ最大の特約店としての機能を果たしつつ、顧客ニーズに対応することを基本とし、日立グループ以外の製品も取り扱う。事例としては、LED照明に関しては、様々なメーカーの製品が取扱可能で、品ぞろえを充実させている。
最近ではエンジニアリングを中心に事業を展開している。エンジニアリング力を強化することに力を注いでおり、また、自社で行う工事案件は採算性が高いため、同事業に経営資源を集中させることで、収益力がアップすることになりそうだ。その一環として、2016年に分社化した、電子デバイス事業におけるソフト開発などのビジネス展開をしている八洲電子ソリューションズ(株)を2020年4月に(株)立花エレテック<8159>に譲渡した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也)
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