■市場参加者が限られるなかでこう着が強まる相場展開
■カシオ計、下方修正 営業利益 140億円←160億円、不正アクセスの影響
■前場の注目材料:パナソニックHD、北米給湯器事業参入へ、米販社と協業
■市場参加者が限られるなかでこう着が強まる相場展開
28日の日本株市場は、売り先行で始まった後は、市場参加者が限られるなかでこう着が強まる相場展開になりそうだ。27日の米国市場はNYダウが138ドル安、ナスダックは115ポイント安だった。NYダウは小売り企業の好決算を好感し上昇する場面もみられたが、トランプ次期大統領が計画している追加関税策による経済や企業業績への影響を警戒した売りがくすぶり下落に転じた。ナスダックは人工知能(AI)への期待が行き過ぎとの見方から、持ち高調整に伴う売りが優勢だった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比290円安の37810円。円相場は1ドル151円00銭台で推移している。
日経平均株価はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り優勢の展開から始まりそうだ。米国市場では主要な株価指数が下落したものの、NYダウは連日で最高値を更新していたこともあり、短期的な過熱感が警戒されやすいところだろう。また、28日は感謝祭で休場になるほか、29日は短縮取引になる。そのため、持ち高調整の売りも入りやすかったと考えられる。また、10月の米個人消費支出(PCE)統計は予想と一致したほか、米新規失業保険申請件数は予想を下回るなど、米経済や労働市場の底堅さを示す経済指標の発表が支えた。
日経225先物はナイトセッションで一時37650円まで売られており、75日線を明確に下放れてきた。ボリンジャーバンドの-2σ水準まで下げてきたことで、積極的に売りを仕掛けてくる流れにはならないと考えられるが、一方で75日線に接近する局面においては戻り待ち狙いの売りが意識されやすいだろう。また、為替市場では一時1ドル=150円台に乗せており、円高が進行している。昨日は輸出関連株の弱さが目立っていたが、本日も為替にらみのなかで、輸出関連の動向には注視する必要がありそうだ。
米国ではデル・テクノロジーズが急落した。2024年8~10月期決算と収益見通しが予想を下回ったことが嫌気されたが、これによりAIへの期待が行き過ぎとの見方が強まり、他のハイテク株へ売りが広がる形となった。東京市場においても、半導体株のほか、AI関連の一角には持ち高調整に伴う売りに向かわせる可能性がありそうだ。そのため、物色としては内需のバリュー株にシフトしやすいとみておきたい。
■カシオ計、下方修正 営業利益 140億円←160億円、不正アクセスの影響
カシオ計<6952>は2025年3月期業績予想の修正を発表。売上高は2750億円から2620億円、営業利益を160億円から140億円に下方修正した。10月5日にランサムウエア(身代金要求型ウイルス)による不正アクセスを受け、サーバーを社内ネットワークなどから遮断した影響が出た。不正アクセスによる販売の機会損失の影響は24年10~12月期に売上高は約130億円、営業利益を約40億円押し下げると見込む。
■前場の注目材料
・VIX指数は変わらず(14.10、0)
・米長期金利は低下
・活発な自社株買い
・東証による企業価値向上の要請
・パナソニックHD<6752>北米給湯器事業参入へ、米販社と協業
・三菱電機<6503>「みちびき」6号機公開、年度内に宇宙へ
・住友商事<8053>ヨーカ堂に出資検討、首都圏で相乗効果見込む
・松屋<8237>実店舗とデジタル融合、商品群拡充、若年層取り込み
・伊藤忠<8001>排出量管理の新興と資本提携、脱炭素支援で新事業
・中部電力<9502>グループのJERA、春秋は石炭火力停止、関係機関と協議
・Zenken<7371>生成AIを全社員に導入
・ホンダ<7267>次世代FCシステムを27年量産化
・スマートドライブ<5137>28年9月期の海外売上高比率20%に上げ
・トヨタ自<7203>JAFと、給水素・給電可能な次世代ロードサービスカー開発
・豊田自動織機<6201>フォークリフト 来月10%値上げ
・IHI<7013>再生エネからアンモニア、製造試験に成功
・NEC<6701>AIエージェント投入、自律的に業務実行、来年から新サービス
・ウェザーニューズ<4825>KDDIなどと、ドローンで医薬品配送、東京都檜原村で実証
・京王電鉄<9008>駅係員にAIアバター、日立製作所と実証、乗り換え案内・情報提供
・日本電気硝子<5214>ビアメカニクスと、次世代コア基板で協力
・TIS<3626>JFEスチールと、基幹システムで協業
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