■株式見通し:ワクチン承認から物色対象が変化をみせてくる可能性
■三井ハイテ、3Q営業利益 黒字転換 18.84億円、通期上方修正
■前場の注目材料:ソニー、AT&Tのアニメ買収、1222億円
■ワクチン承認から物色対象が変化をみせてくる可能性
11日の日本株市場は底堅い相場展開が見込まれる。10日の米国市場ではNYダウが69ドル安だった。週次失業保険申請件数が前週から大幅に増加したため、景気回復が停滞するとの懸念が嫌気された。しかし、米食品医薬品局(FDA)が早ければ本日中にもコロナワクチンの緊急使用許可を認可するとの期待や、ムニューシン米財務長官が追加経済対策協議でかなりの進展があったと報告すると下げ幅を縮小している。シカゴ日経225先物清算値は大阪比15円高の26645円。円相場は1ドル104円20銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から小じっかりの展開が見込まれ、SQに絡んだ売買は若干買い越しといったところか。SQ通過後は方向感の掴みづらい相場展開が見込まれるが、ファイザーのワクチン承認を控えて売り込む流れにはなりづらく、反対に承認となれば反発狙いの買いが向かいやすいところであろう。また、ナスダックは反発しており、半導体株は高安まちまちではあるが、売り材料にはならないだろう。日経平均は26500円処が支持線として意識されやすく、SQ値を上回っての推移となるようだと、心理的にも年末高への期待につながりそうである。
物色の流れとしては引き続き政策に絡んだテーマ株の一角に短期筋の資金が向かいやすい。ただし、ワクチン承認から物色対象が変化をみせてくる可能性も高く、オーバーウィークのポジションは取りづらいところでもある。また、来週からはIPOラッシュが年末まで続くことになる。そのため、テーマ株からIPOに関心が集まるほか、好発進となるようだと還流した資金が利食い対象であった時価総額の大きい中小型株のリバウンド狙いにも向かいやすくなるため、こちらも物色対象の変化を見極めたいところ。
なお、SQ通過後は海外勢はクリスマス休暇に入るため商いは細りやすい。一方で米国では21日のテスラのS&P500指数への組み入れが控えており、S&P500構成銘柄への需給を大きく変化させてくる。一方でフェイスブックの訴訟問題からグロース株への利食い警戒や追加経済対策の年内合意への思惑などもあり、年末まで気の抜けない相場展開を覚悟しておく必要もあろう。
■三井ハイテ、3Q営業利益 黒字転換 18.84億円、通期上方修正
三井ハイテ<6966>は代3四半期決算を発表。営業利益は18.84億円(前年同期は1.04憶円の赤字)と黒字に転換した。また、未定としていた通期計画を修正しており、営業利益は26億円を見込んでいる。コンセンサス(14億円程度)を大幅に上回る。景気の減速は当初の想定よりも早期に回復しており、直近までの業績では電子部品事業と電機部品事業がけん引している。
■前場の注目材料
・ナスダック総合指数は上昇(12405.81、+66.86)
・シカゴ日経225先物は上昇(26645、大阪比+15)
・原油先物は上昇(46.78、+1.26)
・米長期金利は低下
・日銀のETF購入
・米経済対策への期待
・コロナ向けワクチン開発の進展
・ソニー<6758>AT&Tのアニメ買収、1222億円
・日本精工<6471>英社から状態監視システム買収、211億円
・コクヨ<7984>ショウワノートと提携
・兼松<8020>DAIZと提携、植物肉を販促
・双日<2768>中国・山東省の水素サプライチェーン構築調査、NEDOから受託
・ダイヤHD<6699>少量アナログICの供給基盤構築
・コンテック<6639>工場内設備を無線化、NECと共同で汎用通信機器
・ダイナパック<3947>日アで段ボール・パルプモールド増強
・昭和電工<4004>売上高30年度1.9兆円、半導体など5事業で成長
☆前場のイベントスケジュール
<国内>
・特になし
<海外>
・特になし
<ST>
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