今週の新興市場は下落。同時期の騰落率は、日経平均が+2.31%だったのに対して、グロース市場指数は-1.59%、グロース市場250指数は-1.05%と新興市場の弱さが目立った。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の来年度からの運用計画に絡んだ外国人投資家による買い観測で、プライム市場の大型株が買われた一方、幕間つなぎの買いで上昇していたグロース市場は、売り優勢の展開となった。75日移動平均線(75MA)を下回ったグロース市場250指数は、週末、25日移動平均線(25MA)水準まで下落した。
時価総額上位銘柄では、11月末の急騰後、売りが続いたQPS研究所<5595>は9月以来の水準まで下落したほか、アストロスケールHD<186A>も弱く、宇宙関連銘柄の下げが目立った。一方、三菱UFJ<8306>によるTOB実施を受けて、ウェルスナビ<7342>がTOB価格1950円にさや寄せ。証券会社のポジティブなレポートを材料に、Buysell Tech<7685>が買われた。4日にグロース市場と福岡Qボードに上場したTMH<280A>の初値は、公開価格を41.9%上回る2128円となった。
■新興市場に関心は向かいにくいか
来週は、12月の先物・オプション特別清算(SQ)値が週末に算出されることから、プライム市場中心の相場展開となり、新興市場に関心は向かいにくく、商いは減少しそうだ。売買代金は今週末にかけて減少しており、1000億円ほどにとどまっている。SQ通過後は、海外投資家の多くがクリスマス休暇入りするため、個人投資家中心の相場展開となり、新興市場に投資資金が向かう可能性はあるが、来週は我慢といったところか。
売買代金が膨らまないことから、物色の対象は今週物色された銘柄や材料のある銘柄に限定されよう。年初来高値に迫っているBuysell Techは、高値更新すれば需給面を材料視した買いも期待できる。週末に、海外マネーが流入している銘柄として同社が取り上げられたことも好材料。同記事で、GENDA<9166>、Finatext HD<4419>、シェアリングテクノロジー<3989>、AnyMind<5027>、ステラファーマ<4888>、セルシード<7776>も取り上げられていることから、これらの銘柄にも注目したい。
来週は、9日にエネルギーデータをAIで解析する事業を手掛けるインフォメティス<281A>、12日に医療法人の経営支援を手掛けるユカリア<286A>、13日にブランドバッグのサブスクリプション型シュエアリング事業を手掛けるラクサス・テクノロジーズ<288A>が、それぞれグロース市場に上場する。12月は18社の上場が予定されていたが、17日上場予定だったファイントゥデイHD<289A>が上場中止となったことから17社上場となる。
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