コンドーテック、売上拡大、売上総利益率の上昇により営業利益は前年比2桁増、13期連続で増配予定
2024年3⽉期第2四半期 連結業績サマリー
近藤勝彦氏:本日はコンドーテック株式会社の決算説明会にご参加いただきありがとうございます。さっそく、2024年3月期第2四半期の決算についてご説明します。
連結業績サマリーです。民間設備投資を中心に持ち直している需要の取り込みに加え、製造原価や仕入れ価格上昇分の販売価格への転嫁が寄与しました。その結果、すべての項目において、前年同期比増となりました。
2024年3⽉期第2四半期 トピックス
今期のトピックスとしては、株主還元目標であるDOEの引き上げを行いました。DOEとは純資産のうち、どの程度配当しているかを示す指標で、当社はこのDOEを指標として配当を決定しています。そして配当水準の向上により、株主のみなさまに対する利益還元を一層強化するため、当期からはDOEの目標を2.5パーセントから4パーセントに引き上げました。
過去の業績推移
過去からの業績推移について、スライドをご覧ください。当社は土木建築をはじめ、さまざまな業界で約5万アイテムのインフラ関連資材を製造・販売している会社です。棒グラフは売上高、青い折れ線グラフは経常利益の推移、赤い折れ線グラフは名目の建設投資を示しています。
当社の業績は、リーマン・ショックとコロナ禍の影響は受けましたが、それを除くと、2003年以降、大きく右肩上がりとなっています。1953年の設立以降、経常利益ベースでの赤字は1度もありません。小口の販売先が多く、大口の特定の業種・業界や販売先に左右されない小口分散販売が、業績の安定につながっています。
また、災害復旧資材など、災害の多い日本ならではの緊急物資の対応力も強化しています。インフラ老朽設備の補修資材の供給力等、今後も多くの需要が出てくる分野に注力していきます。
会社概要
会社の概要です。設立は1953年1月で、本社は大阪と東京の2本社制としています。従業員は連結で1,278名です。
会社設⽴沿⾰・事業ドメイン
こちらのスライドには沿革を記載しています。子会社に電設資材や住設資材の販売を行う三和電材、タイ現地法人、機械の開発会社である中央技研、足場事業4社、テックビルド・東海ステップ・フコク・日本足場ホールディングス、アルミ押出加工品のメーカーである栗山アルミがあります。
創業当時は船舶用金物の製造・販売を行っていましたが、日本経済の発展とともに、海から陸に取り扱い商材を変えてきました。1989年に近藤鉄工株式会社から、カタカナのコンドーテック株式会社に社名を変更しています。1999年に東証2部に上場し、現在では東証プライム市場へ移行しています。
建設卸業界を建設資材、電設資材、管工機材の3つに分類すると、コンドーテックは建設資材で約80パーセント、そのほか船舶造船、運送、陸海荷役等で残りの20パーセントを占めています。取り扱い商材が広く、競合他社と比較しても、まったく同じ業態の企業はありません。
セグメント別売上構成⽐(2023年3⽉期)
当社ではセグメントを4つに分類しています。産業資材は、インフラ関連のさまざまな消耗品を中心に販売しています。鉄構資材は、工場や倉庫などの鉄骨建築で使用する資材を販売しています。電設資材は、エアコンや照明などを電気工事業者に販売しています。足場工事は、足場の架払工事および足場部材のレンタル・販売を行っています。
商流図
こちらのスライドには商流を図示しています。自社工場をはじめ、OEM工場での製造委託品も加えると、約30パーセントがメーカーとしての機能を有しています。
セグメント概要 : 産業資材
セグメント別の特徴をお伝えします。産業資材セグメントは、建築土木業界を軸に、建築資材および金物小売業、商社やホームセンター等を通じて、建設工事現場や工場、物流現場、鉄道関連事業者などにさまざまな資材を販売しています。毎期、お客さまの新規開拓にも力を入れています。
セグメント概要 : 鉄構資材
鉄構資材は、鉄骨加工業者向けに副資材の製造と仕入れ販売を行っています。地域的に空白地帯もありますので、成長の余力を残しています。
セグメント概要 : 電設資材
電設資材は、主に電気工事業者に電設資材の仕入れ販売を行っています。エアコンや照明などの大きなもの、スイッチやコンセントなど小さなもの、あるいは水回り品などの住設資材まで、幅広い商材を取り扱っています。
セグメント概要 : ⾜場⼯事
足場工事では、工務店やゼネコン向けに足場架払工事や関連資材の販売・レンタルを行っています。
取扱い商材の市場規模
取り扱い商材の市場規模と当社のシェアについてです。ターンバックルブレースの当社シェアが約38パーセント、JISアンカーボルトが約35パーセント、足場吊りチェーンは約71パーセントとなっています。川上への営業強化や新規出店、軽量化チェーンをはじめとする新製品開発等により、今後もシェアの拡大に努めていきます。
販売フィールド
当社の販売フィールドは、鉄骨建築、土木建築、プレハブ建築、荷役作業、船舶輸送、港湾、護岸工事、緊急防災備品等、幅広くあります。このように販売フィールドを幅広くもち、特定の業界の動向に左右されないビジネスモデルが、当社の強みとなっています。
ターンバックルブレース 使用例
商品の使用例をご説明します。まずはターンバックルブレースについてです。
新耐震基準で使用される建築用のブレースは、長尺で、使用される場所によってサイズが異なる受注生産品です。このようなブレースを、短納期で配送コストを抑えながら、最適な工場から全国各地に送り届けられることが当社の強みです。札幌、茨城、滋賀、福岡の4工場すべてで、JIS認証を取得しています。
アンカーボルト 使用例
アンカーボルトの使用例です。アンカーボルトのような基礎部材は、建築物にとって最も重要な部品です。当社は施工を請け負うことで、鉄骨加工業者の作業効率を高めるお手伝いを行っています。スライドの写真のアンカーボルトも、4工場すべてでJIS認証を取得しています。
コンテナバッグ 使用例
コンテナバッグの使用例です。毎年のように、ゲリラ豪雨等の自然災害が多数発生し、多くの被害が出ています。
当社は各営業所で、コンテナバッグのほかにも、ブルーシートや土のう袋といった災害対策資材を潤沢に在庫しており、災害等有事の際に、緊急物資として必要とされる資材を各地域へいち早くお届けしています。また、大阪と茨城にバックヤードを備え、在庫を随時補充できる体制を整えています。
足場施工 工事例
足場施工の工事例です。日本では今後、老朽化した施設の修繕および改修工事が増加すると考えられ、仮設足場の需要はますます高まると見ています。
2024年3月期第2四半期 連結業績
2024年3月期第2四半期の連結業績と分析です。すべての項目で前年同期比増となりました。
営業利益 前年同期⽐増減分析(連結)
営業利益の増減分析です。売上高拡大に伴い3億5,100万円の増加、売上総利益率の上昇による2億3,200万円の増加があり、販売管理費の影響で2億8,700万円減少した結果、営業利益は22億3,400万円となりました。
2024年3月期第2四半期連結業績 計画進捗率
計画比の進捗です。通期の計画値に対しての進捗率は、売上高が48.5パーセント、営業利益が49.7パーセントとなっています。
スライド右下の円グラフには、売上高および営業利益について、通期実績に対する四半期別の構成比を過去5年平均値で示しています。ご覧のとおり、当社グループの業績は、季節性要因から下半期のウエイトが高くなる傾向があり、第2四半期の平均進捗率は、売上高では48.5パーセント、営業利益では46.8パーセントとなっています。こちらと比較すると、現在の進捗は計画数値達成に向けて着実に推移していると言えます。
連結貸借対照表 資産の部
BSについて、こちらのスライドには資産の部を記載しています。
連結貸借対照表 負債、純資産の部
こちらのスライドには、BSの負債、純資産の部を記載していますので、ご参照ください。
2024年3月期第2四半期 セグメント別業績
セグメント別にご説明します。産業資材については売上高182億2,100万円で、前年同期比マイナス0.1パーセントとなりました。セグメント利益は12億4,800万円で、前年同期比プラス12.1パーセントとなっています。
鉄構資材については売上高104億7,200万円で、前年同期比プラス7.7パーセントとなりました。セグメント利益は8億3,100万円で、前年同期比マイナス1.8パーセントとなっています。
電設資材については売上高48億7,900万円で、前年同期比プラス6.2パーセントとなりました。セグメント利益は1億3,100万円で、前年同期比マイナス7.4パーセントです。
足場工事については売上高42億9,100万円で、前年同期比プラス16.9パーセントとなりました。セグメント利益は3,100万円で着地しています。
産業資材
セグメントごとにもう少し詳しく見ていきます。産業資材の売上高は、前年同期比で2,500万円減少しています。これは製造原価や仕入れ価格上昇分の販売価格への転嫁を進めたものの、分野によって需要動向に濃淡があり、受注量が伸び悩んだことが主な要因です。
産業資材
産業資材のセグメント利益については、販売数量面では、製品・商品ともに低下していますが、どちらも販売価格は上昇したため、前年同期比増となっています。
鉄構資材
鉄構資材の売上高は、前年同期比で7億5,000万円増加しています。これは需要が旺盛な分野に注力したことに加え、製造価格や仕入れ価格上昇分の販売価格の転嫁を進めたことが要因です。
鉄構資材
鉄構資材のセグメント利益については、製品・商品ともに販売価格が上昇していますが、製品の販売数量が低下し、販管費が増加したことにより、前年同期比減となりました。
電設資材
電設資材の売上高は、前年同期比で2億8,000万円増加しました。これはメーカー各社からの仕入れ価格の引き上げ等に応じた価格設定と、店舗LED化等のカーボンニュートラルに順じた営業展開を推進したことが要因です。
電設資材
電設資材のセグメント利益については、売上高が増加したものの、売上総利益率の低下と販管費の増加により、前年同期比減となっています。
足場工事
足場工事の売上高は、前年同期比で6億2,000万円増加しています。民間建築投資が持ち直していることを背景に、近年注力している大型物件向けの工事売上やレンタル売上が好調に推移したことに加え、大口の足場機材の販売が寄与しました。
足場工事
足場工事のセグメント利益については、売上高の増加と売上総利益率の改善により、前年同期比増となり、黒字化しています。
ESG基本⽅針
ESG課題への対応についてです。当社はESG課題への取り組みを強化していくことで、持続的な成長につなげていきたいと考えています。
具体的な取り組み
具体的には、子会社の三和電材を通じて、全国の工場や事務所へのLED照明や、省電力化された新しいエアコンなどを販売することで、より良い環境作りに努めていきます。ほかにも、環境保全については、4工場で「ISO14001」を取得しています。
取り組み例 環境
スライドに記載のとおり、当社では取り扱い商材についても、環境に配慮した商品を取り扱う取り組みを行っています。
取組み事例 社会
2024年以降、時間外労働の上限規制が適用されることにより、物流業界においてさまざまな問題が生じる、いわゆる「物流の2024年問題」が懸念されています。当社の強みの1つである即納体制を維持するためには、物流機能が重要な要素となっており、製品・商品をスムーズに配達できるよう、全国の営業拠点で在庫拡充を推進しています。
取り組み例 社会
当社ではさまざまなバックグラウンドを持つ社員が、各人の能力を最大限発揮できるよう職場環境を整えています。福利厚生制度について、現在育児休業中の者を含めると、育児休業を開始した者の復職率はこの3年間ほぼ100パーセントであり、高い水準となっています。
また、オリンピック出場を目指すアスリート社員が所属する陸上部があり、競技支援を継続的に行っています。
取り組み例 社会
社員持株会の加入率は66パーセントであり、平均を大きく上回っています。これにより、株主目線で会社の運営を行っていくことができると考えています。
売上⾼1,000億円を⽬指して
成長戦略についてです。オーガニック成長、周辺強化による成長に加えて、M&A戦略を組み合わせることにより、2020年代中に売上高1,000億円を目指していきます。
オーガニック成⻑ ① 4つの成⻑戦略 〜 新規販売先の開拓、新商材の提供
オーガニック成長の具体的な戦略について、新規開拓は、売上高および売上総利益の中で毎年約5パーセントの寄与があります。新商材では、定期的に新商材委員会を開催することで、より付加価値の高い商材の開拓・供給に取り組んでいます。
オーガニック成⻑ ① 4つの成⻑戦略 〜 売り⽅の⼯夫、販売ルートの開拓
成長戦略の1つである、売り方の工夫をご紹介します。「ツリカタ」という吊り具点検サイトの運用を行うことで、製品・商品の販売にとどまらない、付加価値の高いサービスの提供を行っています。販売ルートについても、既存のルートにこだわらず、ホームセンターや鉄道会社といった新業種への事業拡大、そしてインターネットを用いた新しい販売形態の模索を行っています。
オーガニック成⻑ ② 拠点展開
拠点展開についてです。当社ではお客さまのニーズに迅速に対応すべく、地域密着型の販売体制を整えられるような拠点展開を目指しています。直近では、2022年4月に当社の群馬営業所、2023年4月に三和電材の名古屋東支店を開設しました。
オーガニック成⻑ ③ ⾃然災害への対応
自然災害への対応についてです。先ほども触れましたが、震災の災害復旧、大雨等の異常気象が発生した場合に備え、各営業店ではコンテナバッグやブルーシートを在庫しており、緊急を要する資材の需要にも即座に対応できる体制を整えています。
周辺強化による成⻑ 海外市場への展開
周辺強化による成長戦略として、海外市場の展開があります。タイに現地法人を設けており、規模としてはまだ大きくありませんが、タイを拠点としてASEAN地域への事業拡大に向けて活動しています。
オーガニック成⻑・周辺強化による成⻑を加速するために M&A戦略(企業の買収及び資本・業務提携)
当社では、オーガニック成長・周辺強化による成長を加速させるため、M&Aを積極的に検討しています。スライドの図にあるとおり、当社では4つの視点からM&Aを行っています。
1つ目は「隣接する業界」です。実績例としては、建設業界の隣の業界である電設資材を取り扱う三和電材、アルミ押出型材を製造している栗山アルミが挙げられます。2つ目の「事業の深掘り」に関しては、工場設備の設計を行う中央技研や、足場工事を行っているテックビルド、東海ステップ、フコクが挙げられます。
そして3つ目は「事業エリアの拡大」、4つ目は「販売形態の拡充」です。この4つの視点からM&Aの検討を随時行い、成長を加速すべく取り組んでいます。
配当・株主優待
株主還元についてご説明します。冒頭にもお伝えしましたが、当社は株主還元目標であるDOEの目標を2.5パーセント以上から4.0パーセント以上に引き上げることとしました。配当については、上場して以来減配はなく、今期も6円増配の40円となり、13期連続の増配を予定しています。
株価推移
こちらのスライドには株価の推移を記載しています。
連結ハイライト
以降のスライドには業績ハイライトを掲載していますので、ご参照ください。
以上で、コンドーテック株式会社2024年3月期第2四半期決算説明を終了します。ご清聴ありがとうございました。
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