東証プライムの騰落銘柄は値下がり銘柄が1600に迫り、全体の8割超を占めた。セクターでは、電気ガス、海運、石油石炭の3業種を除く30業種が下落し、鉄鋼、空運、サービス、非鉄金属、卸売、その他製品、機械の下落が際立っていた。指数インパクトの大きいところでは、KDDI<9433>、川崎船<9107>、アルプスアル<6770>、日東電工<6988>、東京ガス<9531>がしっかりだった半面、ファーストリテ<9983>、東エレク<8035>、ソフトバンクG<9984>、リクルートHD<6098>、ダイキン<6367>が軟調だった。
6日の米国市場は、雇用統計後の長期金利上昇を受けてグロース株中心に弱い動きとなり、主要3株価指数はそろって続落した。この流れを受け、東エレクなど指数寄与度の高い値がさ株を中心に幅広く売りが膨らんだほか、地政学リスクへの警戒感も投資家心理を悪化させ、大引けにかけて下げ幅は700円に迫った。こうしたなか、自社株買いを発表したヤマダHD<9831>がストップ高まで買い進まれたほか、1-3月期の好決算を受けてノジマ<7419>が急伸するなど、決算などを手掛かりとした個別株の一角が賑わった。
引き続き投資家の関心は米国のインフレ動向や米金融当局による政策スタンスの行方と言えよう。今週は11日に消費者物価指数(CPI)、12日に卸売物価指数(PPI)、13日には輸入物価指数と物価統計の発表が相次ぐだけに、インフレ高にピークアウトの兆候がみられるのかが注目されそうだ。また、10日にはアトランタ連銀のボスティック総裁が討論会に出席するなど、複数の米連邦準備制度理事会(FRB)高官の発言機会が予定されており、米長期金利の動向を受けた米株市場の動きも気がかりで、これらを見極めながら値動きの荒い展開が続きそうだ。
<FA>
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