東証プライムの騰落銘柄は、値下がり銘柄数が900に迫り、全体の過半数を占めた。セクター別では、鉱業、石油石炭、電気ガス、銀行など16業種が上昇。一方、不動産、精密機器、小売、情報通信、パルプ紙など16業種が下落し、鉄鋼は変わらずだった。指数インパクトの大きいところでは、ファナック<6954>、ソシオネクスト<6526>、トヨタ<7203>、デンソー<6902>がしっかりだった半面、東エレク<8035>、ファーストリテ<9983>、ソフトバンクG<9984>、KDDI<9433>が軟調だった。
注目を集めた米CPIは、総合指数が前年同月比3.5%上昇、コア指数が3.8%上昇といずれも市場予想(3.4%上昇、3.7%上昇)を上回り、米国のインフレ抑制には時間が掛かるとの見方から、利下げ期待が後退。米株安の流れを受け、日経平均の下げ幅は一時500円を超えた。円相場が一時1ドル=153円台と1990年6月以来約34年ぶりの円安水準になったが、トヨタやデンソーなどの輸出関連株の一角に買いが入っただけで、全般に好影響をもたらす材料にはならなかった。ただ、日米の長期金利上昇による利ざや改善期待から銀行株、中東情勢の緊迫化への懸念を背景にした原油市況高など材料株も買われ、売り一巡後は下げ渋りをみせた。
米国では11日、3月の卸売物価指数(PPI)の発表やウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁など米連邦準備制度理事会(FRB)高官の発言機会が予定されている。PPIは前年同月比2.2%上昇と2月から伸びが拡大することが見込まれている。市場予想を上回る堅調さを示せば、一段と早期の利下げ観測が後退し、本日と同様にリスク資産を圧縮する動きが続きかねないとの見方が多い。
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