2. 財務状況と経営指標
2024年3月期末の財務状況を見ると、資産合計は前期末比で326百万円減少の13,809百万円となった。主な増減要因は、流動資産では未収入金が294百万円減少した一方で、現金及び預金が633百万円、売掛金が84百万円それぞれ増加した。また、固定資産では減損損失の計上等により有形固定資産が566百万円減少したほか、のれんが63百万円、長期前払費用が29百万円減少した。
一方、負債合計は前期末比294百万円減少の10,503百万円となった。未払金が242百万円、買掛金が125百万円、未払費用が115百万円それぞれ増加し、有利子負債が542百万円減少した。純資産合計は同31百万円減少の3,306百万円となった。親会社株主に帰属する当期純利益5百万円を計上した一方で、配当金74百万円を支出したことにより利益剰余金が69百万円減少した。
経営指標を見ると、自己資本比率が前期末の23.6%から23.9%へと上昇し、有利子負債比率が同139.3%から124.3%に低下するなど、財務体質が若干改善した。2022年3月期までの2年間で2件のM&Aを実施したことにより、4,649百万円まで積み上がっていた有利子負債を4,106百万円まで絞り込んだことが要因だ。今後も自己資本の充実と有利子負債の削減により財務体質の改善を進めていく。一方、収益性に関しては売上高営業利益率で1.7%と4期ぶりに上昇に転じたものの水準そのものは低く、収益性の向上が経営課題となる。介護事業の収益性がコロナ禍の影響もあって悪化していたため、2024年3月期は不採算事業所の閉鎖を実施した。今後は高い収益性が見込めるホスピス事業を育成し、DXによる業務効率の向上並びに事業間連携によるシナジーの向上により、収益性を改善する方針だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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