23日の米国株式市場のダウ平均は190.87ドル安(-0.58%)、ナスダック総合指数は34.52ポイント高(+0.27%)、S&P500は7.12ポイント安(-0.17%)とまちまち。
中東情勢の一段の緊迫化を警戒し大幅下落スタートとなったが、10年債利回りが5%
に達したのち下落に転じたことからハイテク株を中心に買戻しが入った。ナスダックはプラス圏を回復したが、石油関連が重しとなりダウは下げを消せなかった。ナスダック総合指数が上昇したことを下支えに、日経平均は157.46円高の31157.01円と4日ぶりに反発して取引を開始。ただ、中東情勢や米財政運営の先行き不透明感など警戒材料も多く、30551.67円まで値を下げたが、前引け前に下げ幅を縮めた。
個別では、アンビスHD<7071>、エアトリ<6191>、メディアドゥ<3678>、ウェルビー<6556>、ベネフィット・ワン<2412>、ジンズホールディングス<3046>、富士急行<
9010>、吉野家HD<9861>、サイゼリヤ<7581>、力の源HD<3561>らが値上がり率上位に並んでいる。次世代車向け3ナノ半導体を26年量産との報道が材料視されたソシオネクスト<6526>は大幅反発したが、本日の半導体関連株は全般的にみて、SOX指数下落もあって売り先行の展開にはなっている。東証スタンダードではマリオン<3494>、PLANT<7646>、東証グロースでは、DELTA-P<4598>、ライズ・コンサルティングG<9168>などが上昇している。
一方、車載事業の伸び悩みがネガティブ視されたニデック<6594>が大幅下落となったほか、霞ヶ関キャピタル<3498>、川崎汽船<9107>、プロレド・パートナーズ<7034>、DmMiX<7354>らが値下がり率上位に並んだ。東証スタンダードではマキヤ
<9890>、東京衡機<7719>、東証グロースでは、サンバイオ<4592>、ベースフード<2936>などが下落している。
セクターでは、海運業を筆頭に鉱業、銀行業、証券、商品先物取引業が下落率上位に並んでいる一方で、上昇したのは空運業、精密機器、陸運業、小売業のみ。東証プライム市場の値上がり銘柄は30%、対して値下がり銘柄は66%となっている。
本日の東京株式市場は荒い値動きとなっている。外部環境が不安定で相場全体においては買い材料が見いだせない状況が続いている。そのようななか、決算発表を物色材料にと関連銘柄に多く目が向けられているが、IT・電気関連の決算発表で先陣を切るニデック<6594>が車載事業の伸び悩みがネガティブ視され大幅反落となった。決算発表ラッシュ出だしで出鼻をくじかれる形となってしまったことで、投資家心理は悪化し前場は前半大きく下げた。ただ、30500円手前で反発し、半値戻しとなった。
中東情勢や米国政治不安などに加え、EMS(エレクトロニクス機器の受託製造サービス)世界最大手、台湾・鴻海精密工業(ホンハイ)傘下の富士康科技集団(フォックスコン)に対し、中国当局が税務当調査に入ったと伝わり、中台関係の悪化も懸念材料として台頭してきた。外部環境は引き続き予断を許さない状況となっており、後場も決算関連などに手掛かりを見出すこととなりそうだ。
(二階堂千穂)
<AK>
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