予想株価
---円
登録時株価
281.0円
獲得ポイント
+4.97pt.
収益率
+2.13%
期間
理由
9月28日に今08年3月期連結業績予想の下方修正を発表、
エネルギー・プラント事業で多額の損失見込みであることが判明、
今期の営業損益予想を400億円の黒字→170億円の赤字。
IHIに特有の構造的な問題。違法に近い手法で、
利益をまず計上、コストの計上は
先延ばしにしてきた結果ではないかと不信の声も。
釜和明社長は「業績が計画を下回る事態はこれが最後」と。
過去にも数度プラント事業で赤字を出しており
今回も同じ失敗を繰り返した。
豊洲のような優良資産を持つために、
危機感が薄い。不採算事業の抜本改革を早期に進めなければ
市場の信頼は得られない。
2000年3月期と04年3月期にもプラント部門赤字計上。
90年代後半に業績が悪化した日揮や千代田化工建設が
採算管理を徹底し利益を伸ばしたのとは対照的。
釜社長も「事業部門も財務もコストを正確に把握していなかった」
と。失敗しても穴埋めする手段があり、経営陣に切迫感がない。
豊洲の土地の含み益は推定3000億円超。
資産売却で財務体質の大幅悪化は避けられるが、
資産頼みの経営には限界も。
官公需に依存してきた体質からの転換も課題。
今回の赤字工事のいくつかは、厳しいコスト競争が求められる
アジアでの工事を国内の感覚で進めたことが原因。
航空機エンジンや自動車用過給器など
民間向けの量産品事業では利益を出している。
プラントや橋梁など一品生産の受注品事業で、
海外でも採算確保できる体制をつくのが急務。
IHIの経営が正念場を迎えている。九月末、二〇〇八年三月期の連結営業損益を従来予想の四百億円の黒字から、百七十億円の赤字に大幅下方修正。プラント工事の進行基準を巡るコスト見通しが不適切で、追加損失が発生する可能性も出ている。会社側は「コスト管理の甘さ」を理由に挙げるが、その一言では片付けられないずさんな経営体質が露呈した格好となった。なぜここまで業績が悪化したのか。赤字発覚から下方修正発表までの経緯は・・
7月下旬「不穏な空気」
プラント損失600億円
「業績を大きく引き下げざるを得ないかもしれません」。お盆休み明けの八月下旬、財務担当役員の報告に社長の釜和明は言葉を失った。「一部のプラントで不採算案件があると聞いていたがこれほどとは」。プラントの損失は六百億円に達し、釜の想像を絶する規模に膨らんでいた。
不穏な空気が広がったのは七月下旬。IHIは毎年、七―九月に足元の原材料費や為替動向、工事の進ちょく度合いなどを踏まえ通期業績を見直す。今回も例年通り見直し作業を進めたが、損失が膨らみそうな案件が相次いで発覚した。
「目標を達成できるというのはうそだったのか」。釜は怒気を含みながら、財務やプラントの担当者らに海外での工事状況の確認や損失額の精査を指示した。海外プラントでは現場での状況確認に手間取ることが多く時間がかかったが、八月中旬にはプラント事業の四分野で損失が避けられないことが判明した。
一つ目の誤算はサウジアラビアで建設中のセメントプラントの欠陥。原料を貯蔵するサイロのコンクリートがはがれ、損失は約百三十億円に膨らんだ。調査では実は四月以降、数回発生していたことも発覚。建設したのはインドの下請け企業。釜は「なぜそんなところと組んだんだ」と嘆いたが後の祭りだった。
一方、ずさんなコスト管理を印象づけたのはセメント以外の海外プラントと国内のボイラー。損失額はプラントで七十億円、ボイラーで二百三十億円。労働者不足が主な原因で、設計不備や工程遅延、人件費増が生じた。原子力でも追加工事や仕様変更に伴う費用が膨らみ、今期中の回収が難しくなった。
9月、下方修正が確定
縦割り意識のツケ
結局、九月十日の経営会議で下方修正が確定した。「航空エンジンなど他の好調分野で補えないのか」。釜は最後まで他事業部へ呼びかけ、損失抑制のため奔走したが、プラントの赤字額はあまりに大きかった。
これまで進めてきた改革が「虚空」のものだったことが赤字拡大の背景にある。〇四年三月期の赤字転落以降、プラントでは収益重視を進めてきたはずだった。実際は人的資源を考えず受注至上主義に走り現場が混乱。復活を誓った構造改革は一部の得意事業だけに限られ、肝心の不採算事業には届かなかった。
事業ごとの縦割り意識が原因とされる。会長の伊藤源嗣(前社長)は航空エンジン出身で、プラントは掌握しきれていなかったという。経営者と各事業部との情報伝達は機能せず、受注案件チェックや品質維持は甘くなるばかりだった。
この結果、プラント事業のコスト削減計画の精度も落ち、前期までさかのぼって決算訂正せざるを得ない羽目に。訂正すれば今回の下方修正に加え、今期で最大二百八十億円の損失が発生。営業損益は四百五十億円の赤字になる。前期の有価証券報告書を訂正する場合もあり、ずさんな経営体質の代償は大きい。
市場では「伏線はあった」との声もある。IHIは二月と六月に前期の決算短信の訂正を発表。規模や質で今回とは比較にならないが、六月発表の訂正個所は八つと多く「内部統制は大丈夫なのか」と不安視する声も出ていた。釜は「業績が計画を下回るのはこれが最後。早急にウミを出し、今度こそ改革を徹底する」と語る。すでに弁護士や会計士で構成する社外調査委員会を発足しており、下方修正のいきさつや決算訂正の有無について、近く審査を始める。
ただ市場の不信感は晴れない。「業績の底が見えず手の出しようがない」(外資系証券)。同社は十一月五日に予定していた中間決算発表を延期。ある機関投資家は「中間決算が一つの目安だが、具体的な収益改善策が提示されなければ投資対象から外すことも検討する」と語っていた。
IHIはすでにボイラー撤退を視野に入れるなどプラント事業の抜本的改革を示唆している。ただ、経営に対する意識そのものを根底から変えることができなければ、近い将来再び同じ過ちを繰り返すことになる。
IHIは経常赤字転落の業績下方修正を嫌い大量の売り物(東洋経済新報社)
2007/10/01(09:29)
http://minkabu.jp/stock/7013/news/6025
エネルギー・プラント事業で多額の損失見込みであることが判明、
今期の営業損益予想を400億円の黒字→170億円の赤字。
IHIに特有の構造的な問題。違法に近い手法で、
利益をまず計上、コストの計上は
先延ばしにしてきた結果ではないかと不信の声も。
釜和明社長は「業績が計画を下回る事態はこれが最後」と。
過去にも数度プラント事業で赤字を出しており
今回も同じ失敗を繰り返した。
豊洲のような優良資産を持つために、
危機感が薄い。不採算事業の抜本改革を早期に進めなければ
市場の信頼は得られない。
2000年3月期と04年3月期にもプラント部門赤字計上。
90年代後半に業績が悪化した日揮や千代田化工建設が
採算管理を徹底し利益を伸ばしたのとは対照的。
釜社長も「事業部門も財務もコストを正確に把握していなかった」
と。失敗しても穴埋めする手段があり、経営陣に切迫感がない。
豊洲の土地の含み益は推定3000億円超。
資産売却で財務体質の大幅悪化は避けられるが、
資産頼みの経営には限界も。
官公需に依存してきた体質からの転換も課題。
今回の赤字工事のいくつかは、厳しいコスト競争が求められる
アジアでの工事を国内の感覚で進めたことが原因。
航空機エンジンや自動車用過給器など
民間向けの量産品事業では利益を出している。
プラントや橋梁など一品生産の受注品事業で、
海外でも採算確保できる体制をつくのが急務。
IHIの経営が正念場を迎えている。九月末、二〇〇八年三月期の連結営業損益を従来予想の四百億円の黒字から、百七十億円の赤字に大幅下方修正。プラント工事の進行基準を巡るコスト見通しが不適切で、追加損失が発生する可能性も出ている。会社側は「コスト管理の甘さ」を理由に挙げるが、その一言では片付けられないずさんな経営体質が露呈した格好となった。なぜここまで業績が悪化したのか。赤字発覚から下方修正発表までの経緯は・・
7月下旬「不穏な空気」
プラント損失600億円
「業績を大きく引き下げざるを得ないかもしれません」。お盆休み明けの八月下旬、財務担当役員の報告に社長の釜和明は言葉を失った。「一部のプラントで不採算案件があると聞いていたがこれほどとは」。プラントの損失は六百億円に達し、釜の想像を絶する規模に膨らんでいた。
不穏な空気が広がったのは七月下旬。IHIは毎年、七―九月に足元の原材料費や為替動向、工事の進ちょく度合いなどを踏まえ通期業績を見直す。今回も例年通り見直し作業を進めたが、損失が膨らみそうな案件が相次いで発覚した。
「目標を達成できるというのはうそだったのか」。釜は怒気を含みながら、財務やプラントの担当者らに海外での工事状況の確認や損失額の精査を指示した。海外プラントでは現場での状況確認に手間取ることが多く時間がかかったが、八月中旬にはプラント事業の四分野で損失が避けられないことが判明した。
一つ目の誤算はサウジアラビアで建設中のセメントプラントの欠陥。原料を貯蔵するサイロのコンクリートがはがれ、損失は約百三十億円に膨らんだ。調査では実は四月以降、数回発生していたことも発覚。建設したのはインドの下請け企業。釜は「なぜそんなところと組んだんだ」と嘆いたが後の祭りだった。
一方、ずさんなコスト管理を印象づけたのはセメント以外の海外プラントと国内のボイラー。損失額はプラントで七十億円、ボイラーで二百三十億円。労働者不足が主な原因で、設計不備や工程遅延、人件費増が生じた。原子力でも追加工事や仕様変更に伴う費用が膨らみ、今期中の回収が難しくなった。
9月、下方修正が確定
縦割り意識のツケ
結局、九月十日の経営会議で下方修正が確定した。「航空エンジンなど他の好調分野で補えないのか」。釜は最後まで他事業部へ呼びかけ、損失抑制のため奔走したが、プラントの赤字額はあまりに大きかった。
これまで進めてきた改革が「虚空」のものだったことが赤字拡大の背景にある。〇四年三月期の赤字転落以降、プラントでは収益重視を進めてきたはずだった。実際は人的資源を考えず受注至上主義に走り現場が混乱。復活を誓った構造改革は一部の得意事業だけに限られ、肝心の不採算事業には届かなかった。
事業ごとの縦割り意識が原因とされる。会長の伊藤源嗣(前社長)は航空エンジン出身で、プラントは掌握しきれていなかったという。経営者と各事業部との情報伝達は機能せず、受注案件チェックや品質維持は甘くなるばかりだった。
この結果、プラント事業のコスト削減計画の精度も落ち、前期までさかのぼって決算訂正せざるを得ない羽目に。訂正すれば今回の下方修正に加え、今期で最大二百八十億円の損失が発生。営業損益は四百五十億円の赤字になる。前期の有価証券報告書を訂正する場合もあり、ずさんな経営体質の代償は大きい。
市場では「伏線はあった」との声もある。IHIは二月と六月に前期の決算短信の訂正を発表。規模や質で今回とは比較にならないが、六月発表の訂正個所は八つと多く「内部統制は大丈夫なのか」と不安視する声も出ていた。釜は「業績が計画を下回るのはこれが最後。早急にウミを出し、今度こそ改革を徹底する」と語る。すでに弁護士や会計士で構成する社外調査委員会を発足しており、下方修正のいきさつや決算訂正の有無について、近く審査を始める。
ただ市場の不信感は晴れない。「業績の底が見えず手の出しようがない」(外資系証券)。同社は十一月五日に予定していた中間決算発表を延期。ある機関投資家は「中間決算が一つの目安だが、具体的な収益改善策が提示されなければ投資対象から外すことも検討する」と語っていた。
IHIはすでにボイラー撤退を視野に入れるなどプラント事業の抜本的改革を示唆している。ただ、経営に対する意識そのものを根底から変えることができなければ、近い将来再び同じ過ちを繰り返すことになる。
IHIは経常赤字転落の業績下方修正を嫌い大量の売り物(東洋経済新報社)
2007/10/01(09:29)
http://minkabu.jp/stock/7013/news/6025
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しかし、今回豊洲の一部の土地を売っても、いぜん莫大(ばくだい)な含み益が残るとみられる。このため、市場関係者の間では、本当に危機感を持って業績の立て直しに取り組めるのかと懐疑的な声が消えない。
プラント縮小へ
立て直しに取り組むプラント事業は縮小均衡に向かう。すでに受注は液化天然ガス(LNG)、液化石油ガス(LPG)向けに特化。部門売上高は二―三年後に前期比約三割減の二千五百億円前後に落ち込みそうで「成長はほとんど見込めない」(岡崎氏)。
足元は好調に推移する船舶も、長期的には不安がある。IHIが得意とするのは主に大型のコンテナ船やタンカー。三―四年後に中国勢が一斉増産に乗り出すため、競争力が大きく低下する可能性がある。
重点分野に掲げる航空・宇宙事業も、米ゼネラル・エレクトリック向けに航空エンジン部品が好調だが、今期の部門営業利益は横ばいだ。研究開発費や減価償却費などがかさむためで、投資が本格的な収穫期に入るのは十年後と言われる。
となると、二、三年タームで会社全体の収益性を高めるには利益の見込める事業に集中、将来性のない不採算事業をどれだけ切れるかが課題となってくる。実際、プラントではコスト管理の甘さが露呈したボイラーからの撤退を視野に入れているが、他の事業にも目を向ける必要がある。
IHIは年度末には具体的な構造改革計画を示す予定。
同社は〇四年三月期にも三百億円を超す最終赤字に転落して
市場の信頼を失っている。
不信感を払拭するだけの具体的な成長シナリオを示せるかどうか。
経営陣の危機意識が問われる局面。
土地頼みの最終黒字、成長シナリオ不透明、
利益生む事業選別カギ。
プラント事業のコスト管理の甘さから今期業績予想を大幅下方修正したIHI(7013)。本社周辺の土地売却で最終黒字は確保するが「資産頼みで抜本的な改革を進められるのか」と市場には懐疑的な声も多い。現時点ではプラントをどう改革し、どの事業で収益を伸ばすのか不透明だ。
「赤字による資本の減少を防ぎ、(同時に)公募増資で得た資金を傷つけたくなかった」。釜和明社長は、本社がある東京都江東区の豊洲地区の土地売却の検討を始めた理由をこう語った。
豊洲の土地売却益は最大八百億円とみられる。他の土地売却なども含めると、今期の特別利益は九百億前後に達するとみられる。営業損益は赤字に落ち込む一方で、最終利益は二百六十億円と前期比六四%増える。
市場に不信感も
これに対し野村証券のアナリスト、岡崎茂樹氏は「配当を実施するという意思表明かもしれないが、あまり意味がないこと」と語る。「赤字を土地で補えばいいとの甘えに見える」(国内中堅証券)との声もあり市場関係者の反応は厳しい。
売却する豊洲の土地はIHIの造船所跡地で〇二年から再開発を始めていた。敷地面積は約二十万平方メートルあり約十一万平方メートルを賃貸中。三月に三菱地所に七千平方メートル弱を売却済みで現在、八万平方メートル程度の売却用資産を保有している。含み益は三千億―四千億円に達するとの見方も。
□「業績下方修正」は本当に悪材料なのか?
□公開情報から考えてみる
□数字は「絶対値」で捉える
□赤字から黒字に転換するとき、最高パフォーマンス
□あとは、「さらなる下方修正リスク」をどう捉えるか
http://mainichi.jp/select/biz/news/20071010k0000m020107000c.html
IHIが、エネルギー・プラント事業などで
多額の損失が判明して業績見通しを大幅下方修正した問題で、
弁護士や公認会計士などでつくる社外の調査委員会を
設置するという記事。
委員会のメンバー4名のうち会計士はひとり。
中間決算発表も延期するよう
出来高は2億株突破
2007/10/03(17:15)
http://minkabu.jp/stock/7013/news/6147
エネルギー・プラント事業に多額損失、
今期の営業損益が170億円の赤字見通しに
2007/10/01(17:02)
http://minkabu.jp/stock/7013/news/6048