さらに、前日の大引け後に決算を発表したアドバンテスト<6857>が急伸。ストップ高まで買われて上場来高値を更新しており、同社1社で日経平均株価を1077円押し上げた。同社の強い値動きを受けて半導体や人工知能(AI)関連株など高市トレードでみられた銘柄の一角に物色が集中した。一方で、東証プライムの値下がり銘柄数は全体の8割超を占めるなど、跛行色の強い相場展開だった。
指数インパクトの大きいところではアドバンテストのほか、ソフトバンクG<9984>、東エレク<8035>、フジクラ<5803>、レーザーテック<6920>、ディスコ<6146>が堅調。半面、ファーストリテイリング<9983>、テルモ<4543>、ダイキン<6367>、京セラ<6971>、リクルートHD<6098>がさえなかった。もっとも、下落寄与度の大きい5社をあわせても106円ほどの押し下げ影響だった。セクターでは、非鉄金属、電気機器、建設、情報通信の4業種が上昇。一方で29業種が下げており、パルプ紙、不動産、空運、その他金融、倉庫運輸の弱さが目立った。
アドバンテストのインパクトは凄まじかった。指数インパクトの大きいが故に、指数連動型のファンドにおいて資金流入が強まった形であろう。アドバンテストの比率を高めざるを得ない状況であり、割高感が意識されているとしても買わないわけにはいかない。一方で、値がさ株であるため、他の銘柄を売却して組み入れる必要もあると考えられ、一極集中による需給の変化には注意する必要がありそうだ。
米国市場ではエヌビディアなど半導体の上昇が目立っているが、米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ決定や米中首脳会談で一定の合意がみられるようだと、ハイテク株主導の上昇が継続しやすいだろう。そのほか、決算発表が本格化してくるなかで、好業績銘柄は素直に評価されており、決算を手掛かりとした個別対応にも注目しておきたい。
<CS>
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