東証プライムの騰落銘柄は、値下がり銘柄数1200を超え、全体の8割近くを占めた。セクター別では、医薬品を除く32業種が下落し、不動産、石油石炭、鉱業、非鉄金属、精密機器の下げが目立った。指数インパクトの大きいところでは、ソフトバンクG<9984>、エーザイ<4523>、太陽誘電<6976>、日産化<4021>がしっかりだった半面、ファーストリテ<9983>、東エレク<8035>、アドバンテス<6857>、信越化<4063>が軟調だった。
14日の米国市場は、6月のミシガン大景況感指数は前月から低下し、市場予想も下回ったたため、米景気の減速懸念が台頭し、NYダウは続落した。また、極右政党台頭によるフランスの政治情勢も響いた。東京市場もこの流れを受け、日経平均の下げ幅は一時800円を超えた。また、日銀の植田和男総裁が14日の金融政策決定会合後の記者会見で、、国債買い入れの具体的な減額規模などが持ち越されたため、日銀の金融政策に対する不透明感も改めて意識されたことが不安心理を強める形になったようだ。
米国景気の減速や欧州政局不安という悪材料を複合的にとらえられ、短期筋などによる先物売りが強まった形だろう。関係者からは「米国や中国に比べ、欧州の影響は日本経済にとって限定的で、欧州政局の不安を背景にした株安の動きは早晩落ち着くだろう」との声も聞かれる。今週から月末にかけて約7兆円超の配当の支払いがピークを迎えるため、配当の再投資への需給が相場を下支える可能性もあるため、押し目買いや値ごろ買いも入りやすいだろう。
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