<話題の焦点>=医療機器の海外輸出、官民連携“まるごと輸出”で好機
これは、同日付の日本経済新聞で「政府は民間企業と共同で9月にロシアへ循環器系の医療機器や施設を輸出する」と報じられたことが背景にあり、ロシア向けで高実績を持つ同社株に物色資金が集結したものだ。官民連携による「医療まるごと輸出」は、成長戦略の一環として注目され、民間企業にとっては、国のお墨付きを得ることにより現地との交渉を有利に進められるメリットがある。
実際、医療機器メーカーは海外展開を進捗させている企業ほど業績好調である傾向が強い。高齢化はグローバルに進行しており、それにつれて、ヘルスケア市場も世界的に拡大の一途をたどることが予想されている。総務省試算によれば、世界ベースで65歳以上の高齢者の比率は2010年に約8%程度であったものが、30年には12%近くまで増加する見込みだ。
また、世界のヘルスケア市場の拡大は、新興国の経済成長もポイントとなる。所得水準の向上に伴い高度な医療機器の需要が喚起される流れにあり、高技術力を強みに高シェア商品を擁する日本の企業群にとって、新興国を活躍の舞台に今後商機が広がっていく可能性が高い。
◆成長期待が膨らむ医療機器メーカー
銘柄(コード) 業態コメント
テルモ<4543.T> カテーテルで高シェア誇り、人工心肺装置なども展開
日本光電<6849.T> 脳波計や生体情報モニターなど医療電子機器で強み
シスメックス<6869.T> 検体検査機器を手掛け、血液成分測定装置で首位
フクダ電子<6960.T> 循環器系電子機器に強く、心電計ではトップクラス
オリンパス<7733.T> 内視鏡の世界トップメーカーで外科領域でも実力
A&D<7745.T> 電子天秤首位で医療・健康機器はロシア向け高実績
ニプロ<8086.T> 人工腎臓透析器手掛け、再生医療分野研究も推進
出所:株経通信(株式会社みんかぶ)
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