組込みソフトウェア事業は、RTOS(リアルタイム・オペレーティング・システム)の開発・販売を行う「組込みソフトウェア製品」と組込みソフトウェアの受託業務・コンサルなどを行う「エンジニアリングサービス」に分かれており、組込みソフトウェア事業における構成比は「組込みソフトウェア製品」が26.3%、「エンジニアリングサービス」が73.7%を占めている。得意先セクター別の売上割合はデンソー<6902>などの自動車向けが47.9%、ソニーグループ<6758>などのコンシューマー機器向けが23.1%となる(いずれも24年12月期上期累計)。一方、センシングソリューション事業は、指定伝票発行用車載プリンタや耐環境ハンディターミナル・販売支援用ソフトウェアの開発・販売を行う物流関連ビジネスとセンサネットワークシステムの提案を行う防災・減災ソリューションを提供する。
24年12月期上期累計の売上高は前年同期比29.2%増の6,030百万円、営業損益は725万円の黒字(前年同期は24百万円の赤字)で着地した。持分法適用関連会社であったオーバス社が行っていた車載用ベーシックソフトウェアの販売を4月1日から継続して行っており、組込みソフトウェア事業・センシングソリューション事業ともに増収となった。組込みソフトウェア製品の増収による増益を中心に累計で営業黒字に転換。通期の売上高は前期比25.7%増の12,099百万円、営業損益は988百万円の黒字転換を見込む(前年同期は82百万円の赤字)。主要ターゲットとして位置付けている自動車市場で進む「CASE」への対応、製品の採用に向けての開発投資を継続するようだ。
同社は、開発投資の基本方針として売上高の10%程度を基準に、毎期、開発投資を継続して行い、自社製品のさらなる高機能化を目指している。今後の展開としては、組込みソフトウェア事業では、自動車向け自社製品の開発投資の効果による自動車向け売上の拡大に加えて、そこで培った製品・サービスを主力セクター軸に幅広い業種へ展開し業績拡大を目指すようだ。さらに、昨今の自動化・電動化とともに、ソフトウェア化が著しい自動車向けにおいて、事業領域は広がっているという。また、センシングソリューション事業でも、既存の車載プリンタおよびハンディターミナルビジネスの利益率の向上や新たなセンサネットワークビジネスの拡大、キャッシュレス決済ビジネスへの参入などを計画している。今期営業黒字転換を見据える中、更なる業績の拡大が続くか注目しておきたい。
<NH>
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