1. 会社概要
ブロードリーフ<3673>の起源は、自動車整備工場や部品商など自動車アフターマーケット向けソフトウェアの開発・販売を目的として2005年に創業した旧(株)ブロードリーフである。その後2009年に、外資系投資会社The Carlyle Group
2. 事業概要と顧客基盤
同社の事業は、決算短信ではITサービス事業の単一セグメントとしている。セグメント別の数値開示はないが、決算説明資料等では売上区分(大分類)として、クラウドサービス(2025年12月期売上収益比率56.8%)、パッケージシステム(同27.4%)、その他(同15.8%)を開示している。その内訳(中分類)は、クラウドサービスがクラウドソフト「.cシリーズ」等のソフトウェアサービス(同54.3%)とマーケットプレイス(同2.5%)、パッケージシステムがソフトウェア販売(同6.9%)と保守等の運用・サポート(同20.5%)、その他がハードウェア(同12.6%)とサプライ(同3.2%)で構成されている。
3. ビジネスモデル
現在のビジネスモデルは、クラウドソフト「.cシリーズ」によるサブスクリプション型サービスである。従来の「.NSシリーズ」が6年一括リース契約(一括計上)主体であったのに対し、本サービスは月次売上計上となるため、収益の安定性が高いストック型ビジネスへの転換を意味する。現在、同社は「.NSシリーズ」の契約満了に合わせ、主力商材のクラウドへの順次移行を推進している。
4. 市場特性と強み
同社はソフトウェアサービス(SaaS)を展開する企業であり、提供する製品は「モビリティ産業」向けが中心となっている。最大の強みは、同業界に関する膨大な知見やノウハウに加え、全車種・全部品にわたる関係情報を独自に構造化したデータベースを保有している点にある。この独自データは、大手ITベンダー(日本電気<6701>(NEC)や富士通<6702>等)の参入が少ない専門市場において、参入障壁となっている。
顧客基盤は強固であり、同社グループ全体の潜在的な顧客(法人)数は39,985社に上る(2023年末)。内訳は、全国の整備工場や部品商等の自動車関連業者が38,350社(売上収益の約85%)、旅行代理店や携帯販売店等の一般事業会社が1,635社(同15%)である。かつて中小業者向けに強みを持つタジマを買収したことで、製品ラインナップと顧客カバーエリアを全方位に拡充した。これにより、認証整備工場数(全国約92,000社)ベースの社数シェアは約20~25%と、2位以下のディーアイシージャパン(株)(推定約5,000社)やベースシステム(株)(同約2,000社)を大きく引き離す業界トップの地位にあると推定される。
今後は、主力商品のクラウド化による利便性向上に加え、保有する膨大なデータベースをプラットフォームとして活用した新たな事業展開も可能となる。こうした顧客基盤と独自データが競合に対する参入障壁となり、中長期的な競争力の源泉となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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