正興電機製作所、半期決算で売上高、利益とも過去最高を更新
1.2024年12月期 第2四半期決算概要
田中勉氏:取締役常務執行役員経営統括本部長の田中です。それでは、2024年12月期第2四半期決算についてご説明させていただきます。
第2四半期業績におきましては、電力部門において、情報制御分野や配電機器製品が堅調に推移したことや、サービス部門において太陽光発電所向け電気設備が増加し、売上高、利益とも計画に対し増加しました。
その結果、2024年12月期第2四半期の連結業績は、売上高は142億3,700万円、前期比13.4パーセント増、営業利益は10億1,300万円、前期比20.2パーセント増、経常利益は12億9,700万円、前期比36.7パーセント増、当期純利益は8億4,400万円、前期比36.5パーセント増となり、半期決算においては、売上高、各利益とも過去最高となりました。
2.2024年12月期 第2四半期決算概要(営業利益の増減要因)
続きまして、前期に対する営業利益の増減要因を下のグラフで表しています。
国内公共分野での工期延期や中国市場落ち込みの影響により、環境エネルギー部門が前期に対し減少しましたが、電力部門の売上が増加したことや、情報部門・サービス部門も堅調に推移したことにより、営業利益は前期に比べ20.2パーセント増加しています。
各部門の概況につきましては、次ページよりご説明いたします。
セグメント別業績 ①
電力部門におきましては、情報制御分野の制御システム(OT)やスマート保安システム、発電所・変電所向け受配電装置や制御装置が堅調に推移したことや、配電機器製品の受注が増加したことにより、売上高、利益ともに増加となりました。
環境エネルギー部門におきましては、公共分野において、請負工事の工期延期の影響など工事コストが増加したことや、中国市場の低迷による、日系企業の設備投資抑制の影響で、中国事業の受注・生産が落ち込み、利益は減少となりました。
セグメント別業績 ②
情報部門におきましては、サービス事業において、港湾分野のスマート港湾(サイバーポート関連)や、ヘルスケア(介護認定支援システム)が堅調に推移しました。また、国内の金融や電力・ガス会社向けの業務システム開発も堅調で、売上、利益ともに増加となりました。
サービス部門におきましては、太陽光発電所向け電気設備などの再エネ関連システムや、主要顧客向けの、設備更新工事が増加したことにより、売上・利益ともに増加となりました。
セグメント別業績 ③
その他の事業におきましては、国内の電子制御機器製品が増加したことや、電力会社向けの変電所、水力発電所向けのメンテナンス工事が堅調に推移したことにより、売上、利益ともに増加となりました。
以上がセグメント別の業績の概況となります。
3.連結キャッシュフロー
次に連結キャッシュフローについてご説明いたします。
営業活動によるキャッシュ・フローでは、大口プロジェクトなどの仕入れ債務の増加により減少しています。
投資活動によるキャッシュ・フローでは、遊休地の売却等がありましたが、子会社である正興電気建設の本社ビル建築によりマイナスとなっています。
財務活動によるキャッシュ・フローでは、借入金の返済等によりマイナスとなりました。
その結果、2024年12月期第2四半期の現金及び現金同等物の期末残高は、前期に対し9億5,200万円増加し、27億9,600万円となりました。
4.2024年12月期 通期業績予想
続きまして、当期の業績予想についてご説明いたします。
通期業績におきましては、電力部門が計画に対し増加しており、情報部門やその他の部門のエレクトロニクス分野においても、堅調に推移しています。
また、環境エネルギーにおいても、下期に改善が見込まれることから、期首の計画どおり、売上高は300億円(前期比10.8パーセント増)、営業利益は20億円(前期比23.2パーセント増)、当期純利益は13億5,000万円(前期比12.3パーセント増)を見込んでいます。
2024年 重点成長分野① ◆デジタルファースト
それでは、2024年度の重点分野について、概要をご説明させていただきます。
デジタル分野では、スマート保安、電力監視制御システム、スマート港湾の3つを重点分野として取組んでいます。
スマート保安ソリューションは、ITやロボット、AIカメラなどを活用し、業務の効率化・自動化をサポートするシステムであり、全国の電力会社や鉄道、プラント工場へ展開しています。
また、電力監視制御システムの、全国の電力会社への参入など、事業領域の拡大に取組んでまいります。
2024年 重点成長分野② ◆デジタルファースト
次に、港湾分野についてご説明いたします。
港湾分野におきまして、当社のコンテナ台帳サービスは、国内トップシェアを持っています。
現在、国土交通省が推進している、ペーパーレス化やAIによる自動化など、サイバーポート事業を国土交通省と協業で展開しており、今後の成長分野として期待しています。
また、ヘルスケア分野においては、従業員の健康状態の見える化、産業医の保健業務のDX化や、ウェアラブル端末を活用したウォーキングイベントなど、企業の健康経営をサポートするシステムを展開しています。
2024年 重点成長分野③ ◆脱炭素(カーボンニュートラル)
次に、脱炭素分野の取組みについてご説明いたします。
脱炭素分野においては、パワエレ技術を活用した企業向けの脱炭素・再エネソリューションや、メガソーラー、風力・小水力発電など再生可能エネルギー発電所向けの電源・監視システムなどの取り込みに注力しています。
また、次世代技術への取組みとして、新型の大容量・中容量の蓄電池システムの開発を行っており、大規模蓄電所、データセンターの脱炭素化にも貢献してまいります。
5.株主還元①
最後に、株主還元についてご説明いたします。
中間配当金につきましては、前期から2.5円増配の1株当たり20円の配当を実施することを決議しています。
また、期末配当金につきましても、2.5円増配の1株当たり20円を予定しており、年間配当金としましては5円増配の40円を予定しています。
配当金の推移をグラフに表していますが、これまで継続的に増配を行っています。
今後も株主のみなさまのご期待に沿えるよう、事業拡大に取組んでまいります。
5.株主還元②
次に、株主優待制度についてご紹介いたします。
当社では、株主のみなさまの日頃からのご支援に感謝するとともに、当社株式への投資の魅力を高め、より多くの方々に中長期的に当社株式を保有していただけるよう、株主優待制度を導入し、当社株式の保有株式数に応じて、「QUOカード」を贈呈しています。
私からのご説明は以上となります。
参考資料
尚、当社の概要や取組みについて、参考資料をつけていますので、ご覧いただければと思います。
会社概要
当社は、福岡市に本社を置き、今年で創業103年となる企業です。
資本金は26億721万7,518円、2023年12月期の連結売上高は270億円、連結従業員数は1,001名となっています。
国内では福岡本社・古賀事業所・東京支社ほか、全国に17ヶ所の営業拠点と子会社4社を持っており、北海道から沖縄まで、全国に営業展開を行っています。
また、海外では中国の大連、北京をはじめ、マレーシアやフィリピンに製造・販売・開発拠点を持っており、アジア各国へ事業展開を行っています。
会社概要 【沿革】
当社は1921年に商事会社「正興商会」として創業し、1928年には配電盤・開閉器の生産を開始、製造メーカーとして「モノづくり」をスタートしました。
1960年に、現在の「正興電機製作所」に商号を変更し、グループの開発・生産拠点である古賀工場を建設しました。
1960年より日立製作所殿との技術提携を行い、1973年には九州電力嘉穂制御所殿向けの制御システム(OT)の開発、1985年にはワークステーションの基本ソフトウェア(ITシステム)の開発をスタートしています。
1989年にはマレーシアに生産拠点として子会社を設立、その後、中国・フィリピンへ海外進出を行っています。1990年に福岡証券取引所に上場、2005年には東京支社を設立しています。
2010年には、IoT技術を活用した操作支援システムを開発し、九州電力殿へ納入を開始しました。
2020年には、火力発電所に自動巡視点検AIロボットを納入、2021年にはAI・ARソリューションを展開するベンチャー企業(HMS社)へ出資を行うなどAI技術の取組みを進めています。
また、2021年に創立100周年を迎え、さらなる事業拡大に向け、技術開発拠点Eサイトの建設と古賀事業所の生産エリアの拡張を行っています。2022年には、中期経営計画「SEIKO IC2026」を策定し、事業の拡大に取組んでいます。
会社概要 【事業内容】
当社はプロダクト(モノづくり) に加え、IT(情報技術)、OT(制御技術)を有する数少ない企業であり、電力・エネルギー分野や、水・道路などの公共施設、物流・産業分野など、幅広い分野に事業を展開、社会インフラを支えています。
また、このIT・OT・プロダクト技術に、AI・IoTなどの最新のデジタル技術を組み合わせ、脱炭素やデジタル(スマート保安ソリューション)など、事業活動を通じた社会課題解決に「One正興」で取組んでいます。
会社概要 【正興グループ事業体制】
当社グループは国内及び海外の事業会社と相互に連携し、電力部門、環境エネルギー部門、情報部門、サービス部門の4つの部門とその他(エレクトロニクス・オプトロニクス分野)にて、事業を推進しています。
売上高については3期連続増収、営業利益は6期連続増益となっています。
5.IC2026 中期経営計画
2026年を最終年度とする中期経営計画「SEIKO IC2026」を策定し、事業の拡大に取組んでいます。中期経営計画の基本方針としましては、サステナビリティ経営を掲げ、3つの重点方針に取組んでいます。
1つ目は「デジタルファースト」デジタル技術を活用した社会課題解決、2つ目は「脱炭素社会の実現」カーボンニュートラルへの取組み、3つ目は「One 正興」グループ総合力発揮による国内・アジアへの事業展開です。
中期経営計画「SEIKO IC2026」の経営目標としまして、売上高400億円、営業利益36億円を設定しています。
トピックス①
当社は、社員及びすべての関係者が安全に就業することのできる職場環境の整備、また社員とその家族の心と身体の健康増進を支援する健康経営を推進しています。
その結果、「健康経営優良法人(大規模法人部門)ホワイト500」に継続認定されており、2024年には「健康経営銘柄」にも選定されました。
社員の健康を重要な経営資源の1つと捉え、 「社員が活き活きと仕事ができる」企業グループを目指して、ご家族を含めた自発的な健康維持増進活動に対する積極的な支援と組織的な健康づくりを推進しています。
また、健康DX転倒防止アプリ「KOKEN」を開発しました。
このアプリは、スマートフォンを活用し、セルフチェックと体力測定の結果を、会社と社員双方で把握することにより、社員の健康意識向上を図るとともに、体力に合った業務マッチングに活用することができます。また、転倒リスクの把握による労働災害防止にも貢献します。
トピックス②
2024年7月23日に設立された「ドーガンMGX投資事業有限責任組合」へ出資しております。
本ファンドは、自動車分野の電動化や、自動車関連企業における脱炭素化に必要なさまざまなソリューション・再生可能エネルギー・蓄電池分野等、九州地域のカーボンニュートラル実現に貢献することを目的としています。
本ファンドへの出資を通じて、GX事業に取組む事業会社や金融機関、公的機関とのチャネル構築や、新たなGXに関するノウハウの吸収、当社のパワーエレクトロニクス技術による「EV導入の促進」に関わる事業分野への展開を図ってまいります。
(注:)「ドーガンMGX投資事業有限責任組合」は、7月30日に福岡県の北部九州自動車産業グリーン先進拠点推進構想に賛同し、「北部九州地域の電動車開発・生産拠点の形成及びCASEに対応したサプライヤー集積に向けた連携協定」を締結しました。
トピックス③
福岡市の「花による共創のまちづくり」を目指す取組み「一人一花運動」に賛同し、地域、市民の方々へ日頃の感謝を込めて、正興電機本社横の緑地を花時計と花壇に整備しました。
この場所を起点とし、地域、学校、自治体などのみなさまとまちの新たな景観づくり、花や緑のある持続可能なまちづくりの推進活動として、「まちにわプロジェクト福岡」を展開しています。
2024年は7月までに3回イベントを開催しており、今後もさまざまなイベントを開催してまいります。
当社は、社会の一員であることを深く自覚し、『良き企業市民』として、積極的に社会貢献活動を行い、 地域社会との共生に努めます。
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