個別では、マザーズ時価総額上位のフリー<4478>が週間で10.0%安、ラクス<3923>が同10.2%安などとなった。堅調な決算ながらサプライズなしと受け止められたマネーフォワード<3994>は同9.1%安。売買代金上位ではAI inside<4488>や直近IPO銘柄のENECHANGE<4169>、ウェルスナビ<7342>などが売りに押された。また、第1四半期の業績進捗が低調と受け止められたアララ<4015>などが週間のマザーズ下落率上位に顔を出した。一方、米同業のIPO価格が刺激材料となったメルカリ<4385>は同5.8%高、メディアプラットフォーム運営会社のnoteとの資本業務提携を発表したBASE<4477>は同4.3%高。決算や東証1部への市場変更が好感されたSansan<4443>は同22.0%高となった。また、ウォンテッドリー<3991>が上昇率トップだった。ジャスダック主力では、東映アニメーション<4816>が同1.4%高と引き続き堅調。売買代金上位ではフェローテックHD<6890>などが買い優勢で、旭化学工業<7928>が週間のジャスダック上昇率トップとなった。一方、セリア<2782>が同7.5%安、出前館<2484>が同8.3%安と軟調で、ケイブ<3760>などが下落率上位に顔を出した。
来週の新興市場では、循環物色の流れからマザーズ指数の反発に期待したい。今週はマザーズ指数の値動きの弱さが目立ち、需給悪が意識されそうなマザーズ銘柄もなお少なからずある。しかし、今週末にかけては直近IPO銘柄の一角が急反発するなどし、マザーズ指数は逆行高となった。米長期金利とバリュー(割安)株の上昇には目先一服感が出てきて、日経平均も29000円を前に売りに押される場面が増えてきた。また、来週は決算発表の端境期となることから、幕間つなぎ的な物色が新興株に向きやすいと考えられる。
9-11月期業績が良好だった銘柄では投資判断や目標株価を見直す動きが出てくるかもしれない。Sansanなどは従来、他のマザーズ主力銘柄と比べ出遅れ感があったため、再評価の余地が大きそうだ。また、昨年12月上場組では新興家電メーカーのバルミューダ<6612>が一部メディアの特集記事などをきっかけに一段と期待を高めている。最近の電力卸価格の急騰が一部消費者に大きく影響する懸念が出てきており、電力・ガス切り替えサイト運営のENECHANGEにも注目したい。
IPO関連では、2021年最初の案件であるQDレーザ<6613>が1月21日からブックビルディング期間に入る。また、今週はアクシージア<4936>(2月18日、マザーズ)、WACUL<4173>(2月19日、マザーズ)の新規上場が発表されている。
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