日経平均は大幅高で3日続伸、売買代金増加で主力株しっかりの展開に
29日の米国株式市場はまちまち。ダウ平均は154.52ドル安の42233.05ドル、ナスダックは145.56ポイント高の18712.75で取引を終了した。JOLT求人件数が予想以上に減少し、労働市場の冷え込みや景気減速を警戒した売りに寄り付き後、下落。ダウは長期金利の上昇を嫌気し反落。その後、消費者信頼感の改善を好感、また、財務省が実施した7年債入札の結果が好調で金利が伸び悩んだため下げ止まった。ナスダックは利下げや主要ハイテク企業決算への期待を受けた買いが押し上げ終日堅調に推移し、終盤にかけ上げ幅を拡大し過去最高値を更新。
米国市場でハイテク株が強かったことやアルファベットの好決算などを材料に、東京市場は主力株を中心に買い優勢で取引を開始した。日経平均は39000円台を回復した後、じりじりと上げ幅を拡大し、前場は39000円台を維持。プライム市場の売買代金は2.3兆円と前日比では商いが増加するなど現物株を買う動きが強まった。
日経平均採用銘柄では、米ハイテク株高を受けて、ディスコ<6146>が大幅高となったほか、レーザーテック<6920>、ルネサスエレクトロニクス<6723>、ソシオネクスト<6526>、アドバンテスト<6857>など半導体関連が総じて上昇。また、フジクラ<
5803>、古河電工<5801>、住友電工<5802>など電線銘柄も買われた。東京電力HD<9501>、関西電力<9503>、中部電力<9502>など電力株は女川原発再稼働を材料に上昇。
このほか、キーエンス<6861>、SMC<6273>、HOYA<7741>、ニデック<6594>なども上昇した。
一方、今期2200億円の最終赤字見通しと発表した日野自動車<7205>が大幅安となったほか、決算発表で通期営業利益予想の上方修正を発表したものの、市場予想に届かなかったことでコマツ<6301>が売り優勢となり、日立建機<6305>も連れ安となった。また、大和証G<8601>は好決算も株主還元策の発表がなかったことなどから売られた。このほか、中外製薬<4519>、NEC<6701>、ニトリHD<9843>、シャープ<6753>、ディー・エヌ・エー<2432>などが下落。
業種別では、電力・ガス、非鉄金属、精密機器、機械、ガラス・土石などが上昇した一方、小売、証券・商品先物取引の2セクターのみ下落した。
為替は1ドル153円台前半で推移しており目立った動きは観測されず。本日30日から明日31日にかけて、日本銀行による金融政策決定会合が開催されるが、衆議院選挙後の不透明な政権運営や、米大統領選挙の結果など見極め材料が多いことから、日銀は身動きが取れないとの観測。植田和男日銀総裁も、前向きな利上げに対する考えを表明しつつも、「米国経済」を見極めたいとする発言に終始すると見られており、日銀会合後の為替市場も動意薄となろう。
後場の東京市場は、欧州投資家による現物買いが入れば、日経平均は後場一段高となる可能性がある。陰線が続いた選挙前とは逆の地合いとなりそうだ。
<AK>
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