東証プライムの騰落銘柄は、値上り銘柄数が808、値下がり銘柄数が807と拮抗し、変わらずは36だった。セクター別では、繊維製品、その他製品、精密機器、空運など15業種が上昇。一方、不動産、建設、水産農林、金属製品など18業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、KDDI<9433>、オリンパス<7733>、ソフトバンクG<9984>、ディスコ<6146>が堅調だった半面、東エレク<8035>、セコム<9735>、トヨタ<7203>、ファナック<6954>が軟化した。
前週末の米国市場は高安まちまちだったが、台湾の半導体製造大手企業のTSMCの売上高が事前予想を上回ったことから半導体関連株が上昇。東京市場もアドバンテス<6857>やソシオネクスト<6526>などグロース株の一角が買われた。また、国内主要企業の決算発表が佳境を迎えるなか、市場予想を上回る業績見通しを示すなどしたオリンパスや大規模な自社株買いを発表いたホンダ<7267>など個別に好材料のある銘柄にも投資資金がシフトした。一方、日銀が本日通知した定例の国債買い入れオペ(公開市場操作)で、長期債の購入予定額を減らしたため、日銀による早期の金融政策の正常化観測が重荷になり、日経平均は一時260円近く下げる場面があった。
15日の米CPIといったインフレ指標の発表を前に東京市場は様子見ムードが強く、商いは盛り上がり欠けている。注目のCPIについては、前月からの鈍化が想定されているが、インフレの鈍化傾向が複数カ月続かなければ、米国の利下げ観測期待もはく落しかけないと考える投資家が多く、インフレ指標とそれを受けた米国市場の動きに警戒が必要だろう。
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