1. 2025年3月期の業績予想
2025年3月期の連結業績は期初予想を据え置き、売上高を前期比2.1%増の55,000百万円、営業利益を同3.3%増の12,400百万円、経常利益を同3.3%増の12,500百万円、親会社株主に帰属する当期純利益を同0.4%増の8,500百万円と、引き続き増収増益を見込んでいる。
「情報システム事業」が、スマート遊技機向け設備販売や改刷対応(上期に完了)により過去最高業績となった前期と同水準を維持する見通しである。「アミューズメント事業」についても、自社ブランドによるスマートパチスロ機の市場投入(下期を予定)により増収を見込んでいる。
利益面では、新たなサービスの基盤となるクラウド開発やスマートパチスロ機の市場投入に向けた積極的な開発投資を継続するものの、「情報システム事業」の高収益維持と「アミューズメント事業」の黒字化により増益を確保する見通しである。
2. 弊社の見方
弊社でも、中間期業績の進捗率(売上高63%、営業利益73%)やスマート遊技機の導入状況等を勘案すれば、通期予想の達成は十分に可能と見ている。改刷対応需要は上期に完了しているため、スマート遊技機の設置の進行状況、自社ブランドのスマートパチスロ機の市場投入による業績への影響がポイントになる。その意味では、計画の前提である期末のスマート遊技機の設置割合(スマートパチスロ機60%、スマートパチンコ機10%)への到達や、スマートパチンコ機の販売台数2,500台の達成がメルクマールとなりそうだ。しばらく停滞していたスマートパチンコ機については稼動の良い機種が出始めており、ラッキートリガー搭載などのヒット機種の登場による今後の普及が期待される。一方、スマートパチスロ機の市場投入については保守的な前提となっているものの、タイミングによっては業績のアップサイド及びダウンサイド両面で変動要因となる可能性がある。また、中期経営計画の最終年度の業績目標はすでに大きく上振れる見込みであるが、次の中期経営計画に向けて体制面での仕上げをいかに行うかが注目される。今後もM&Aや業務提携を含め、クラウド化による新たな価値提案や事業領域の拡大に向けた動きをフォローしたい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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