「小型原子炉」が20位に浮上、安全性や経済性に優れるとして日本でも導入議論高まる<注目テーマ>
1 メタバース
2 防衛
3 原子力発電
4 円安メリット
5 半導体
6 ディフェンシブ
7 蓄電池
8 警備
9 TOPIXコア30
10 再生可能エネルギー
みんかぶと株探が集計する「人気テーマランキング」で、「小型原子炉」が20位に浮上している。
小型原子炉とは、出力が従来の原子炉に比べて小さく、パッケージ(モジュール)で製造される原子炉のこと。国際原子力機関(IAEA)の定義によると、出力30万キロワット以下とされ、従来型原発の100万キロワット超に比べて3分の1から4分の1程度の出力の原子炉のことをいう。
世界的な脱炭素の流れやエネルギー価格高騰のなか、これまで厳しい目が向けられてきた原子力発電にも再評価する動きが強まっている。ただ、原子力発電は、原子炉の中でウランが核分裂するときに出る熱で水を沸かして蒸気をつくり、その蒸気の力でタービンを回して発電していることから、万が一、原子炉が暴走した際には原子炉を冷やす必要があるが、従来型ではポンプで水を汲み上げて冷やさなければならず、福島第一原発で起こったように電気の供給が途絶えると冷却できないという問題を抱えている。これに対して小型原子炉は、小規模ゆえに大型炉よりも冷却が早く、また原子炉全体をプールの中に沈めておくことができるためメルトダウンを起こしにくいという。また、小型原子炉は、モジュール工法を採用するため工場でユニットを組み立て、現地で最終的に組み上げることで、工期の短縮やコストの圧縮が見込めるというメリットがある。
このように従来型に比べて安全性や経済性に優れているとされていることから、日本でも小型原子炉の導入議論が高まりつつあり、岸田文雄首相は今年1月の参院本会議で、小型原子炉や高速炉の開発を進める考えを明らかにしている。また、世界的に見ても各地で70基以上の小型原子炉の開発が進められているとされ、今後、開発競争が加速しそうだ。
この日の関連銘柄では、岸田首相が今冬に原発を最大9基稼働させる方針を示したこともあり、助川電気工業<7711.T>が急伸したほか、日本製鋼所<5631.T>、木村化工機<6378.T>も上昇している。
出所:MINKABU PRESS
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