■株式見通し:世界的な景気後退懸念や地政学的リスクの高まりが重荷に
■ニトリHD、2Q営業利益 10.9%減 690億円
■前場の注目材料:東芝、意向表明書を受領、2次入札参加の複数提案
■世界的な景気後退懸念や地政学的リスクの高まりが重荷に
3日の日本株市場は、売り先行後はこう着感の強い相場展開になりそうだ。9月30日の米国市場はNYダウが500ドル安だった。9月シカゴ購買部協会景気指数(PMI)やミシガン大学消費者信頼感指数確報値が予想を下回る低調な結果となり、一時長期金利が低下したことから買われる場面も見られた。しかし、米連邦準備制度理事会(FRB)の高官が講演やイベントで時期尚早の利上げ終了を警告したため金利先高観を受けた売りに押された。また、ロシアのプーチン大統領がウクライナ4州の併合を宣言、英米が追加対ロ制裁を発表し地政学的リスクが高まったことも重荷となった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比80円安の25930円。円相場は1ドル144円70銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から売り先行で始まろう。売り一巡後は先週末の日経平均構成銘柄の定期入れ替えや四半期末に伴う需給要因が通過したこともあり、先週末の下落に対する自律反発を意識させる場面もありそうだ。とはいえ、今週は米国で9月のISM製造業・非製造業景況指数、9月のADP雇用統計、9月の雇用統計の発表を控えているため、リバウンド機運は高まりづらいところだ。また、ロシア情勢に対する地政学的リスクの高まりが重荷となりやすい。ロシアの国内で、反転攻勢を強めるウクライナに対し、核兵器の使用を含めた反撃を求める声が強まっていると報じられており、リスク資産を圧縮する動きが強まりそうである。
そのため、インデックスに絡んだ商いが断続的に入る可能性もあるため、指数インパクトの大きい値がさハイテク株などは手掛けづらくさせそうだ。日経平均は終値ベースで7月1日以来約3カ月ぶりに26000円を割り込んで取引を終えた。インデックスイベント通過で自律反発は意識されるものの、26000円が抵抗線として意識されてくるようだと、チャート形状では6月安値の25520円が射程に入ってくるだろう。押し目買い機運が高まりづらいなか、ショートを仕掛けてくる動きが強まる局面には注意しておきたい。
物色の流れとしては値動きの強い直近IPO銘柄の一角のほか、材料の出ている銘柄での個別対応になりそうだ。米国では今後決算シーズンに入るなかで、下方修正リスクへの警戒感が高まってきており、東京市場においても業績面には過剰に反応を見せてくる可能性があるだろう。その他、10月半ばからは水際対策が解除されるため、インバウンド関連などへの物色も再燃する可能性はありそうだ。
■ニトリHD、2Q営業利益 10.9%減 690億円
ニトリHD<9843>が発表した第2四半期業績は、売上高が前年同期比2.1%増の4230.72億円、営業利益は同10.9%減の690.45億円だった。コンセンサス(685億円程度)を若干上回っての進捗だった。2023年後半をめどに米国事業から撤退すると発表。米国での収益性改善が難しいと判断し、成長の見込める東アジア・東南アジア地域に資金や人材を再配置する。
■前場の注目材料
・日経平均は上昇(26422.05、+248.07)
・米国景気は拡大
・日銀は金融緩和を継続
・東芝<6502>意向表明書を受領、2次入札参加の複数提案
・トヨタ紡織<3116>ロシア撤退、トヨタの生産終了受け
・日立<6501>日立エナジー完全子会社化、シナジー創出加速
・三洋化成<4471>APBへの出向引き上げ、電池材料供給に専念
・トヨタ<7203>10月の世界生産を75万台に見直し
・千代化建<6366>CCS共同検討開始、インドネシア国営石油と
・酒井重工<6358>インドネシアで路面切削機展開、現地生産の低価格機種を来春投入
・日本製鉄<5401>経営統合から10年、海外強化で粗鋼1億トンへ
・日本製紙<3863>秋田工場の洋紙生産撤退検討、抄紙機1台を来年度廃止
☆前場のイベントスケジュール
<国内>
・08:50 9月調査日銀短観・大企業製造業業況判断DI(予想:+11、6月:+9)
・08:50 9月調査日銀短観・大企業非製造業業況判断DI(予想:+13、6月:+13)
・08:50 9月調査日銀短観・大企業全産業設備投資(前年度比予想:+18.9%)
<海外>
・特になし <ST>
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